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内科系診療部門 循環器内科 

アブレーション


 カテーテルアブレーションとは、不整脈を引き起こす心臓の異常な組織を、カテーテルという細い管を挿入して焼き切り、正常な心拍リズムを取り戻す治療法です。
 正式には「経皮的カテーテル心筋焼灼術」と呼ばれ、カテーテル手術の一つに分類されています。

 カテーテルアブレーションが行われる以前は、手術で胸を開き、直接心臓を操作して異常な部分を除去していました。しかし、これは大がかりな手術であり、患者さんの負担はとても大きなものでした。そこで、胸を切らずに行える「カテーテルアブレーション」が開発され、急速に普及してきました。現在では効果的な治療方法として定着しています。

カテーテル挿入口


 不整脈とは、心臓に流れる電気の異常により、脈の打ち方が正常ではなくなることを意味します。
 動悸がしたり、脈が異常に速かったり遅かったりと不規則になっていることで、初めて気が付くこともありますが、自分では全く分からなかったのに、病院を受診してみたら不整脈だったという場合もあります。
 また、異常に脈が多くなりすぎると、激しい動機や胸に不快感を認めることもあり、心臓が頻繁に収縮することで、血液を送り出す効率が下がり、疲労感や息苦しさ、意識が遠くなるようなめまいやふらつきなどの症状が現れます。
 逆に、脈が極端に少なくなることもあり、その場合は疲労感や息切れ、めまいなどが現れ、重症の場合は意識を失う発作が起きてしまうこともあります。

カテーテルアブレーション治療について


 不整脈は大きく分類すると、以下の2種類に分かれます。

①脈が遅くなる「徐脈性不整脈」

②脈が速くなる「頻脈性不整脈」


 このうち、カテーテルアブレーションの対象となる不整脈は、②の「頻脈性不整脈」のうち、以下のものがあげられます。

■発作性上室性頻拍

  ・房室回帰性頻拍(WPW 症候群)

  ・房室結節回帰性頻拍

■心房細動

■心房粗動

■心房頻拍

■心室頻拍


検査及び治療開始前のご説明

 治療の前に患者さんの病歴について検討を行います。特に問題がなければ、主治医から検査や治療についての説明(検査及び治療の必要性、内容、リスクなど)があり、患者さんに十分納得・ご理解をいただいた上で、同意書に署名していただきます。


治療前検査~入院

 治療に必要な検査を外来で行い、十分な情報を得ます。その後、手術前日もしくは当日から入院していただきます。


治療当日

 カテーテル治療室に入室後、点滴をとり静脈麻酔を行います。なるべく痛みを感じない状況で、カテーテルの挿入口付近(太ももの付け根など)を消毒し、血管にカテーテルを挿入します。

 焼灼中は、基本的に鎮静薬、鎮痛薬を用いて、痛みを感じない治療を心がけていますが、「動悸がする」「胸の中が熱く感じる」など何か変わったことがありましたら、遠慮なく声に出してお伝えください。


治療後

 治療直後は、カテーテルの挿入部位から出血しないよう1~2時間は上を向いたまま、足を曲げずに寝ていただきます。その後、2~4時間は足をまっすぐにしたままではありますが、看護師のお手伝いにより横向きへと体勢を変えることが可能です。

 ※安静時間はカテーテルの種類により個人差がありますので、その都度、説明させていただきます。
 カテーテル挿入部位からの出血がないか、心電図の異常や合併症の症状がないかなど、スタッフが頻繁にチェックを行います。カテーテル挿入部位に不快感等がある場合は、遠慮せずにお知らせください。

 翌日以降は、問題がなければベッドを離れて歩くことができます。結果が良好であれば翌々日以降退院可能です。


退院後の生活

 カテーテルアブレーションは、成功すれば根本的に不整脈の原因を取り除くことのできる治療ですので、原則、健康な時と同じように生活することができます。
 ただし、いくつか心がけるべきこともあります。

①退院後、抗凝固薬(血栓形成を抑制する薬)の服用が必要となることがあります。 指示に従って正しく服用してください。

②不整脈が再発した時など異常を感じた場合は、いつでも当院を受診してください。

③定期的な通院が必要となることもありますが、通院の期間や頻度については患者さんについて様々です。 主治医又は看護師などスタッフにお尋ねください。


手術・処置名 件数(平成26年実績)
心臓カテーテル検査 662
冠動脈インターベンション 224
末梢血管カテーテル治療 52
カテーテルアブレーション 26
大動脈バルーンパンピング法(IABP法) 21

Q.希望すれば誰でもカテーテルアブレーションを受けられますか?


A.カテーテルアブレーションは、対象となる病気が限られているため、一概に誰でも受けられる治療法とは言えません。治療法の選択については、患者さん自身の病歴などを検討した上で、最適な治療法をご提案しています。カテーテルアブレーションは、従来の開胸手術に比べ、患者さんへの身体的負担が少なく、入院期間も短くすることが可能です。
 カテーテルアブレーションが至適の治療である場合は、患者さんに十分に理解をしていただき、安心してもらえるよう説明した上で治療を受けていただいております。

Q.カテーテルアブレーションは、どこの病院でも行える手術ですか?


A.カテーテルアブレーションはどこの病院でも行える手術ではありません。カテーテルを挿入しモニターを見ながら手術を行うために、必要な装置が備えられた施設であることはもちろんですが、それらを的確に使いこなす正確な手技を身に付けた医師の存在が必要となります。当院では、治療に精通し正確な技術を持つ医師が日々研鑽を重ね、患者さんの診療に当たっています。
 当院では、平成27年11月より最新の血管造影X線装置を導入いたしました。従来の3割のX線使用量で検査や治療を実施することができるため、より患者さんへの負担を少なく検査、治療を行うことができます。

Q.ペースメーカーによる治療との違いはどんな点ですか?  


A.カテーテルアブレーションは頻脈性不整脈(脈が速くなる不整脈)に対する治療法で、ペースメーカーは徐脈性不整脈(脈が遅くなる)に対する治療法です。ペースメーカーは脈が遅くなっているところに心臓へ刺激を与え、脈を確保するのに対して、カテーテルアブレーションは脈を速くなる原因となっている組織を焼き切ることで治療します。

Q.カテーテルアブレーションの合併症はありますか?


A.カテーテルアブレーションは、従来のようなメスを使う手術ではありませんが、不整脈を引き起こしている異常部位を焼灼する一種の手術になります。それによる合併症はゼロというわけではありません。合併症として、カテーテルにより心臓にごくわずかな亀裂を生じることで起こる「心タンポナーデ」や正常な電気系に障害が及ぶ「房室ブロック」などがあり、手術やペースメーカーが必要になる場合もあります。

 事前に主治医より検査、治療についての説明(必要性、内容、リスクなど)をさせていただきますので、患者さんが十分ご理解、納得された上で治療をお受けください。また、疑問点や不安な点などございましたら、お気軽にご相談ください。

Q.かかりつけ医は近所の診療所なのですが、カテーテルアブレーションは受けられますか?


A.当院では、地域の医療機関と連携を取り、患者さんのニーズに応えられる体制を整えております。直接、当院の外来を受診されてもかまいませんが、その場合、診察や検査を最初から行っていただくことになり、患者さんへ負担も増えてしまいます。余計な検査や重複する検査を省き、迅速な対応をさせていただくためには、直前にかかりつけ医の先生とよくご相談いただき、紹介状をお持ちいただくか、当院の地域医療連携室を通して紹介していただくことをお勧めしております。ご不明な点がありましたら、当院の地域医療連携室へご相談ください。

地域医療連携の詳細、お問い合わせ先はこちらからご覧いただけます。

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