重要なお知らせ
小児科診療の停止について

耳鼻咽喉科の診療内容

特色

当院は患者さんの早期回復を最優先に考え診療を行なっています。特に力を入れているのは、頭頸部外科手術です。良性腫瘍から悪性腫瘍まで幅広く対応しています。甲状腺については内視鏡下手術を行っています。悪性腫瘍では形成外科と合同で遊離皮弁再建手術も実施しています。鼻疾患に対する内視鏡下鼻内手術も数多く行なっており、頑固なアレルギー性鼻炎(鼻過敏症)に対して、副交感神経の枝である神経切断術も行っています。耳疾患に対しては応援医師の元で小児から高齢者まで幅広く手術を実施しています。
また、近年注目されている睡眠時無呼吸症候群に対しても睡眠モニター検査を取り入れ、積極的な治療に取り組んでいます。平成19年7月には頭頚部癌の早期発見のためNBI電子スコープの導入を行い、粘膜内腫瘍の早期診断を行っております。


医療連携

当院では、小児の原因不明熱の場合に、小児科医からの紹介により中耳炎や副鼻腔炎の診療を行なっています。また、耳鼻咽喉科疾患のうち、悪性腫瘍治療の際、化学放射線療法を取り入れる場合は、放射線科と密接に連携して治療にあたっています。
腫瘍除去手術後には食事が喉を通りにくいなど、生体への機能障害が起こります。その場合、機能回復手術を形成外科と連携して患者さんの早期回復に努めています。


認定・研究等

  • 内視鏡下甲状腺手術の合併症についての研究を実施しています。

特長

  • 新生児聴覚スクリーニングとその後の対応

当院では新生児聴覚スクリーニングを行っており、Refer児に対しカウンセリングおよび耳音響放射・ABR・ASSRを使用した精密な聴力検査を実施しております。また名古屋大学医学部小児科と共同研究でRefer児に対し同意が得られた場合、先天性サイトメガロウイルス感染症の診断および治療を行っております。


耳鼻咽喉科Q&A

Q1) 検査はどのような形で行われるのですか?

A1)当院では1泊入院にて検査を行っております。夜の19時半ごろに入院し、検査器具を付けて眠っていただき、翌朝7時ごろには退院できます。当日の夕食は入院前に食べてきていただいております。そのほか、検査を受ける上での注意点は特にありません。

Q2) 手術以外には、どのような治療の方法がありますか。

A2)化学療法や放射線療法などがあり、病期や疾患に応じてそれらを効果的に組み合わせて治療を行っていくことが重要となります。従来は手術療法と放射線療法を組み合わせて行うことが主流でしたが、最近は薬学の進歩に伴い、化学療法を併用することも増えてきました。


当院の聴力検査・耳手術の特徴

聴力検査について

当院では、ハイエンドモデルのオージオメーターAA-H1を用い、標準純音聴力検査、語音聴力検査、自記オージオメトリー、耳鳴検査を行っているほか、耳音響放射、聴性脳幹反応検査(ABR)、聴性定常反応検査(ASSR)を用いて、こどもから大人までの難聴の診断、労災認定を行っております。

ASSRとは

ABRで主として用いられるクリック音では推定できない低音部の聴力も他覚的に推定できる聴力検査です。当院ではBio-logic社製のNavigator Pro®を使用し、0.5kHz、1kHz、2kHz、4kHzの聴力レベルを推定しています。

ASSR

鼓膜チューブ挿入術について

当院では、局所麻酔でできるこどもや大人の鼓膜チューブ挿入術は外来で、全身麻酔の必要なこどもは1泊2日入院で鼓膜チューブ挿入術を行っております。

鼓膜形成術について

当院では、穿孔が小さい場合内視鏡下に鼓膜形成術を行っております。局所麻酔でできる場合は日帰りで、全身麻酔で行う場合も最短2泊3日で行っております。
穿孔が大きい場合や辺縁にある場合は、耳の後ろを切開して鼓膜形成術を行います。その場合、1週間耳にガーゼをパッキングする必要がありますが、希望があれば、早期退院し外来でパッキングを抜去しております。

2022年 鼓膜形成術の件数 7件

真珠腫性中耳炎の手術について

当院では、顕微鏡と内視鏡を併用し基本的には1期的に手術を行っており、症例に応じ外耳道後壁削除乳突非開放型鼓室形成術、外耳道後壁削除・再建型鼓室形成術、外耳道後壁削除・乳突開放型鼓室形成術を選択し治療しております。入院期間も早期退院希望の場合は、症例にもよりますが最短2泊3日の入院で行っており、退院後外来に定期的に受診していただきながら治療をしております。

2022年 真珠腫性中耳炎の手術件数 1例

アプノモニター検査とは

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、寝ている間に一時的に呼吸が止まる病気のことです。睡眠時に酸素の供給がうまくできないため、よく眠ることができず、日中の強い眠気や疲労感及び集中力の低下などを引き起こします。また心血管系の合併症(不整脈、心不全、高血圧、脳血管障害)を発症し重篤な状態に陥ることもあります。

アプノモニター検査

睡眠時無呼吸症候群の検査では、アプノモニターという機械を使うことが多いです。寝る前に手や鼻に機械を装着し、そのままいつも通り睡眠をとり、翌朝機械を外せば検査は終了です。寝ている間に、アプノモニターが鼻や口での呼気の流れや酸素濃度などを測定し、解析して、睡眠時無呼吸症候群の有無などを判定します。
アプノモニターは小型化が進んでおり、自宅で検査をできることも多くなりました。より詳しく睡眠と呼吸の質を調べたいときは、入院検査を行います。

治療法

CPAP療法
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法とは、専用の機械を装着することで、寝ている間気道に空気を送り込み続け、無呼吸になることを防ぐ方法です。空気が正しく供給されることにより、熟睡を促します。器具を装着するため最初は違和感があるかもしれませんが、医療機関から器具の設定や使い方について指示やアドバイスを行います。

CPAP療法

マウスピース

比較的軽度な疾患に行う療法で、マウスピースをはめて気道を確保することで就寝時の呼吸状態を改善します。

当院実績

令和4年終夜睡眠ポリグラフィー症例数 86件
令和4年終夜睡眠ポリグラフィー症例数(簡易型) 144件

頭頸部がんとは

頭頸部がんとは?

頭頸部とは顔面から頚部までのことで、大体眉毛の下から鎖骨の上あたりの総称です。この範囲に含まれる、鼻、口、のど、上あご、下あご、耳などの部分にできるがんが「頭頸部がん」です。頭頸部がんは、全てのがんの5%程度と、比較的発生頻度は低いですが、顔面は最も人目にふれる部分であるとともに、発症すると呼吸や食事など、人間が生活する上で欠かせない行為に影響を与えるため、治療の根治性と同時に生活の質(Quality of Life)への配慮が特に重要視される疾患といえます。

頭頸部がんの種類

上咽頭がん
中咽頭がん
下咽頭がん
喉頭がん
上顎洞がん
舌がん
唾液腺がん
甲状腺がん

頭頸部がんの手術について

頭頸部がんの治療法には、手術療法、化学療法、放射線療法などがあり、患者さんの状態によって治療方針を決定します(上咽頭がんは部位の特性上、切除が容易でないため手術は行わない)。がんの種類や進行に応じて切除する部位が変わってきます。切除部位によっては、声が出なくなったり、ものを飲み込みづらくなったりといった後遺症が残ることがありますが、発声器を取り付けたりリハビリテーションを行ったりすることで、失われた機能の回復を行います。当院には、頭頸部がんの専門医がおり、幅広い部位のがんに対応できます。

当院の実績

令和4年頭頸部がん手術実績

術式 件数
 咽頭悪性腫瘍腫手術
(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む。)
 3
 顎下腺悪性腫瘍手術  1
 口腔底悪性腫瘍手術  1
 喉頭,下咽頭悪性腫瘍手術  3
 喉頭悪性腫瘍手術(全摘)  1
 甲状腺悪性腫瘍手術(亜全摘)  1
 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)  14
 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘)  5
 上顎骨悪性腫瘍手術(切除)  1
 舌悪性腫瘍手術(亜全摘)  0
 舌悪性腫瘍手術(切除)  0
 頸部郭清術(片側)  4
 総数  34

主な疾患

疾患名 疾患の簡易解説
頭頸部がん 咽頭、喉頭、口腔、舌、耳下腺など様々な部位から発生する悪性腫瘍です。これらは主に耳鼻咽喉科で治療を行います。治療としては手術、放射線、薬物療法、免疫療法などが挙げられます。できる限り患者様のご意向に沿うようにして治療を進めていきます。
甲状腺癌 甲状腺は頸部の下端にあり気管の前面に位置する臓器です。そこから発生する悪性腫瘍が甲状腺がんです。治療は主に手術ですが必要に応じて放射線治療や薬物療法も適応になります。当科では他院からの紹介や内科からの依頼など幅広く患者様を受け入れています。内視鏡下手術も積極的に実施しております。
頭頸部良性腫瘍 耳下腺、顎下腺、副鼻腔、甲状腺などに耳鼻咽喉科領域全般に発生する良性の腫瘍です。症状が現れないものから悪性腫瘍に準じた治療を必要とするものなど多岐に渡る種類があります。その種類に応じて、個々の患者様に適した治療方針を選んでいます。必要がある場合はに手術を行っています。甲状腺良性腫瘍に対しては積極的に内視鏡下手術を選択しています。
アレルギー性鼻炎、花粉症 くしゃみ、鼻みず、鼻づまりが主な症状です。スギ、ヒノキなどの花粉やダニ、ハウスダストやペットなどが原因となります。
当院では内服治療で効果が乏しい人に対してCO2レーザーによる粘膜焼灼や全身麻酔下で選択的後鼻神経切断術を行います。
ちくのう症(副鼻腔炎) ちくのう症(副鼻腔炎)とは、副鼻腔の粘膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態のことです。感染、アレルギー、カビ(真菌)、腫瘍、歯など様々な原因で臭い鼻水、鼻づまり、顔面痛、嗅覚障害などの症状が出現します。
治療として内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を行っています。現在主流で行われている手術で体への負担の少ない手術です。また安全に手術を行うためにナビゲーションを使用しています。
鼻中隔湾曲症 薄い骨と軟骨からできてい鼻の左右を分けている壁(鼻中隔)が、曲がることによって鼻づまりとなる病気です。
いびきの原因となる場合もあります。当院では全身麻酔下にて手術を行っており、鼻の中を切開して、軟骨、骨の一部を除去し鼻づまりの改善を目指します。
突発性難聴 突然原因不明の難聴が発症し、耳鳴や耳が詰まる感じや、めまいが伴う場合があります。ステロイドの治療を行います。ステロイド治療に反応が悪い場合は、鼓室内ステロイド投与も行なっています。
新生児聴覚スクリーニング 新生児の1000人に1~2人に難聴があると言われています。新生児聴覚スクリーニングは赤ちゃんが受けることのできる聞こえの簡易検査で、痛みはなく安全で赤ちゃんが寝ている間に、11 分ほどで終了します。専門の施設でさらに詳しい検査を受けた方がよいかどうかを選別するための検査です。
めまい症 耳鼻咽喉科であつかう疾患は、良性発作性頭位めまい症状(BPPV)、メニエール病、突発難聴、前庭神経炎などです。眼の動き(眼振)、歩き方、きこえの変化、などを診察しています。脳の疾患が疑われた場合、脳神経内科にご相談しています。治療としては、お薬の処方、リハビリテーション(寝返りをうつリハビリ、指先を目で追うリハビリ、など)のご紹介、生活のアドバイスなどを行っています。
睡眠時無呼吸症候群 寝ている時に、舌の付け根が落ち込んで、空気の通り道がせまくなることが主な原因です。十分な睡眠がとれず、日中の作業能力が低くなってしまうこと、血圧が高くなり心臓に負担をかけてしまうこと、などが問題となります。耳鼻咽喉科では、内視鏡検査、ご自宅での簡易睡眠検査、入院での終夜ポリソムノグラフィ検査を行っています。治療としては、CPAPや口腔内装置をご提案しています。

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