腎臓内科の診療内容
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特色
腎臓の病気を幅広く診療しています
当科では、健診で尿たんぱくや血尿、腎機能低下を指摘された方をはじめ、慢性腎臓病、急性腎障害、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、電解質異常、むくみ、高血圧など、腎臓に関わるさまざまな病気の診療を行っています。
腎臓の病気は、初めのうちは自覚症状が少ないことも少なくありません。そのため、健診異常や血液検査の変化をきっかけに、早めに原因を調べ、適切な治療につなげることを大切にしています。患者さんそれぞれの病状や生活背景に合わせて、できるだけ腎機能を保ちながら治療を続けられるよう努めています。
リウマチ膠原病科と連携し、全身をみながら診療しています
腎臓の病気の中には、全身の免疫の異常が関わるものがあります。たとえば、膠原病や血管炎などでは、腎臓だけでなく関節、皮膚、肺、血管など、全身に症状が出ることがあります。
当科では、リウマチ膠原病科とともに診療にあたる体制を大切にしています。腎障害が前面に出ている場合でも、全身の病気としてとらえて診療することが重要なため、必要に応じてリウマチ膠原病科と連携しながら、診断や治療方針を検討しています。腎臓と全身の両方を意識して診療することで、より適切で安心できる医療につなげたいと考えています。
慢性腎臓病外来で、今後の治療を一緒に考えます
慢性腎臓病が進行すると、将来の治療について早めに考えていくことが大切になります。当科では、月曜日と木曜日に慢性腎臓病外来を行っており、腎機能をできるだけ保つための治療に加えて、将来の腎代替療法についてもご相談いただけます。
腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植、また患者さんによっては透析を行わずに過ごし方を考えていく方法など、いくつかの選択肢があります。どの治療がよいかは、病気の状態だけでなく、年齢、生活スタイル、ご家庭の状況、ご本人の考え方によっても異なります。当科では、それぞれの治療法について分かりやすく説明し、患者さんやご家族が納得して選べるようお手伝いしています。
腹膜透析の診療を行っています
当科では、腹膜透析を受けている患者さんの診療を行っています。腹膜透析は、ご自宅で行うことができる治療法で、通院回数を抑えやすく、生活との両立がしやすいという特徴があります。その一方で、治療を安全に続けるためには、体調管理や感染予防、透析量の調整など、専門的なサポートが必要です。
当科では、腹膜透析を選ばれた患者さんが安心して治療を続けられるよう、外来での定期的な診察を行い、日常生活上の困りごとにも目を向けながら支援しています。
腎生検の結果を、専門的なカンファレンスで検討しています
腎臓の病気の種類や治療方針を決めるために、腎生検が必要になることがあります。腎生検では、腎臓の組織を詳しく調べることで、より正確な診断につなげることができます。
当科では、腎生検を受けた患者さんの病理結果について、外部講師を招いて月1回、腎病理カンファレンスを行っています。臨床経過や検査結果とあわせて丁寧に検討し、診断や治療方針の確認に役立てています。こうした取り組みにより、より質の高い診療を患者さんに提供できるよう努めています。
腎臓病教室を開催し、病気への理解を深めるお手伝いをしています
腎臓病は、長く付き合っていくことの多い病気です。治療を続けるためには、病気について正しく知り、日常生活の中で気をつけることを理解することが大切です。
当科では、年に1回、腎臓病教室を開催しています。慢性腎臓病や透析療法、食事や生活上の注意点などについて、患者さんやご家族に分かりやすくお伝えし、病気への理解を深めていただく機会としています。不安や疑問を少しでも減らし、安心して治療に向き合えるよう支援しています。
教育・研修にも力を入れています
当科では、日々の診療だけでなく、医療者の教育にも力を入れています。当科医師が監修した、腎臓内科医師や研修医向けの腎臓病に関する書籍が市販されており、専門的な知識の整理や教育にも取り組んでいます。
(https://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=4948, https://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=4566)
また、電解質異常の診療支援にも取り組んでおり、低ナトリウム血症の治療に際して当院で採用している予測式を公開しています。低ナトリウム血症では補正速度の見通しを立てながら慎重に治療を進めることが重要であり、当科では実臨床で活用している方法を院外にも共有しています。
また、電解質異常の診療支援にも取り組んでおり、低ナトリウム血症の治療に際して当院で採用している予測式を公開しています。低ナトリウム血症では補正速度の見通しを立てながら慎重に治療を進めることが重要であり、当科では実臨床で活用している方法を院外にも共有しています。
透析診療や血液検査管理の支援を目的として、透析患者・血液検査管理指導ソフトを作成し、公開しています。日常診療の中で必要となる評価や管理を補助するツールとして活用いただける内容であり、当科の診療・教育の取り組みの一つです。
このような活動は、当科の診療が日常診療だけにとどまらず、若い医師の育成や腎臓診療の質の向上にもつながっていることの一つと考えています。
地域の医療機関と連携しながら診療しています
腎臓の病気は、健診異常の段階から早めに対応し、必要に応じて専門的な評価や治療につなげていくことが大切です。一方で、慢性腎臓病は長く付き合っていく病気でもあるため、地域のかかりつけ医の先生方と腎臓内科が連携しながら診療を行うことが重要と考えています。
当科では、地域の医療機関との連携をより円滑に進めるため、独自の「CKD連携パス」を作成しています。これは、慢性腎臓病の患者さんをご紹介いただく際にご活用いただく、CKD診療に特化した紹介様式です。尿所見、腎機能、血圧、糖尿病や心血管リスク、これまでの治療経過など、診療に必要な情報を整理しやすい形式としており、紹介時の情報共有をスムーズにし、より適切な専門診療につなげることを目的としています。
患者さん一人ひとりに合わせた診療を心がけています
腎臓病の治療では、検査結果だけでなく、患者さんの年齢、持病、生活スタイル、ご家族の状況、今後の希望なども大切です。当科では、病気だけを見るのではなく、患者さん一人ひとりに合った治療を一緒に考えていくことを大切にしています。
分かりやすい説明を心がけ、不安や疑問に丁寧に対応しながら、患者さんとご家族が安心して治療を続けられるよう努めています。
医療連携
病状に応じて、幅広い診療科と連携を取っています。軽度の腎臓機能低下でも動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高くなるため、他の診療科とも連携し治療しています。
病状が安定している場合は数ヶ月に一度、腎臓内科で検査や診察を受け、普段はかかりつけの先生から治療を受けることも可能です。
ご紹介いただいた患者さんについては、当科で専門的な評価を行ったうえで、必要に応じて腎生検、治療方針の提案、腎代替療法の準備などを進めます。その後も、病状が安定している場合には地域の先生方と役割分担を行い、切れ目のない診療につなげていきます。地域全体で患者さんを支える体制づくりを大切にしています。
認定・研究等
認定内容
- 日本腎臓学会認定教育施設
- 日本透析医学会認定教育関連施設
研究内容
- 透析導入時研究および腎生検レジストリ研究(いずれも名古屋大学病院の研究協力施設として参加)
主な疾患
| 疾患名 | 疾患の簡易解説 |
|---|---|
| 健診で指摘された尿たんぱく・血尿 | 健診で尿たんぱくや血尿を指摘された場合、見た目に症状がなくても腎臓の病気が隠れていることがあります。一時的な変化であることもありますが、慢性腎臓病や糸球体腎炎などの早期サインである場合もあるため、再検査や詳しい評価が大切です。当科では尿検査、血液検査、画像検査などを行い、必要に応じてさらに精密検査を進めます。 |
| 腎機能低下、慢性腎臓病(CKD) | 慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが少しずつ低下していく状態です。初期には自覚症状が乏しいことが多い一方、進行するとむくみ、貧血、血圧上昇などを伴い、将来的に透析が必要になることもあります。原因となる糖尿病、高血圧、加齢、腎炎などを見極めながら、血圧管理、食事療法、薬物療法を通じて、できるだけ腎機能を守ることを目指します。 |
| 急性腎障害 | 急性腎障害は、数時間から数日といった比較的短い期間で急に腎機能が悪化する状態です。脱水、感染症、薬剤、尿路閉塞、心不全など、さまざまな原因で起こります。早期に原因を見つけて対応することで回復が期待できる一方、重症化すると全身状態に大きく影響することがあります。当科では原因検索を丁寧に行い、必要に応じて入院治療や他科連携も含めて対応します。 |
| ネフローゼ症候群 | ネフローゼ症候群は、腎臓のフィルター機能に異常が起こり、大量のたんぱくが尿に漏れ出る状態です。その結果、血液中のたんぱくが減り、むくみ、体重増加、だるさなどがみられます。原因にはさまざまな腎疾患があり、治療法も異なります。当科では必要に応じて腎生検を行い、正確な診断に基づいて、ステロイドや免疫を調整する治療などを検討します。 |
| 糸球体腎炎 | 糸球体腎炎は、腎臓の中で血液をこし取る「糸球体」に炎症が起こる病気です。血尿、尿たんぱく、腎機能低下などで見つかることが多く、症状が目立たないまま進行することもあります。IgA腎症をはじめ、さまざまな種類があり、経過や治療法も異なります。当科では検査結果や必要に応じた腎生検をもとに、病気の種類を見極め、適切な治療につなげます。 |
| 糖尿病性腎症 | 糖尿病性腎症は、糖尿病の影響によって腎臓に障害が起こる病気で、慢性腎臓病の代表的な原因の一つです。初期には症状が少なく、尿たんぱくや血液検査で気づかれることが多くあります。進行を防ぐためには、血糖だけでなく血圧、体重、食事、脂質の管理も重要です。当科では糖尿病の治療を行う診療科とも連携しながら、腎機能を守るための総合的な診療を行っています。 |
| 腎硬化症 | 腎硬化症は、高血圧や動脈硬化によって腎臓の細い血管に負担がかかり、徐々に腎機能が低下していく病気です。長年の高血圧や加齢とともに進行することがあり、自覚症状が乏しいまま見つかることも少なくありません。腎機能の悪化を防ぐためには、血圧をしっかり管理することが特に重要です。当科では心血管病のリスクにも注意しながら、全身状態を踏まえて治療を進めます。 |
| 膠原病・血管炎に伴う腎障害 | 膠原病や血管炎では、免疫の異常によって腎臓に炎症が起こり、血尿、尿たんぱく、腎機能低下などをきたすことがあります。腎臓だけでなく、関節、皮膚、肺、神経など全身に症状が出ることもあるため、全身をみながら診療することが大切です。当科ではリウマチ膠原病科と連携し、必要に応じて腎生検も行いながら、診断と治療方針を一緒に検討しています。 |
| 電解質異常 | ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質は、体の水分バランスや筋肉・神経の働きを保つために欠かせません。これらが乱れると、だるさ、食欲低下、けいれん、不整脈、意識障害などの原因になることがあります。腎臓は電解質の調整に大きく関わるため、異常がみられたときには腎機能や内服薬、ホルモン異常なども含めて原因を調べ、適切に対応します。 |
| むくみ、難治性高血圧 | むくみや治りにくい高血圧の背景に、腎臓の病気が隠れていることがあります。腎臓の働きが低下すると、体の中に水分や塩分がたまりやすくなり、血圧の上昇や足のむくみにつながることがあります。また、腎臓の血管やホルモンの異常が関与している場合もあります。当科では、心臓や内分泌の病気なども含めて原因を評価し、それぞれに応じた治療を行います。 |
| 透析療法に関する相談 | 腎機能が大きく低下してきた場合には、透析療法を含めた今後の治療について早めに考えていくことが大切です。透析には血液透析と腹膜透析があり、それぞれ治療の方法や生活への影響が異なります。当科では、患者さんの病状だけでなく、仕事、ご家庭の状況、生活スタイル、ご本人の希望も踏まえながら、治療の選択について丁寧にご説明し、一緒に考えていきます。腎臓移植が可能な患者さんであれば腎臓移植を目指して治療を行うこともあります。 |
