脳神経外科の診療内容
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特色
脳神経外科では、脳・脊髄・神経およびそれらの血管に関わる疾患を対象に診療を行っています。当院では、急性期の治療が必要な疾患から、慢性的に経過をみていく疾患まで、幅広く対応しています。
主に以下のような疾患を診療しています。
• 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
• 脳動脈瘤、脳および頚部血管の狭窄・閉塞
• 転倒や事故による頭部外傷
• 脳腫瘍
• 水頭症
• 痙縮
診療体制
• 当院の脳神経外科診療は、日本脳神経外科学会専門医3名を中心に行っています。また、名古屋大学脳神経外科と連携しながら、標準的かつ安全性を重視した医療を提供しています。
• さらに、全国規模のデータベース研究や多施設共同研究にも参加し、日々の診療の質の向上に努めています。
治療方針の決定について
脳神経外科の治療には、以下のような選択肢があります。
• 外科手術
• 脳血管内治療(カテーテル治療)
• 薬物による治療
• 慎重な経過観察
病状・年齢・全身状態・生活背景を考慮したうえで、患者さんおよびご家族と相談しながら、医学的に妥当と考えられる治療方針を提案します。
「治療を行うこと」だけでなく、治療を行わない選択が適切な場合も含めて説明することを大切にしています。
患者さんとご家族にとって納得できる医療を提供できるよう努めています。
勤労者の健康への取り組み
• 労災病院として、働く世代の健康維持・職場復帰も大切な役割と考えています。職場検診や脳ドックで異常を指摘された場合には、精密検査、治療の必要性の判断、経過観察まで一貫して対応します。
• 仕事を続けられるかどうか、治療が必要かどうかについても、生活背景を踏まえて対応します。
地域医療と生活を見据えた診療と支援
• 名古屋市南部地域における脳神経外科診療を担う医療機関として、地域医療を重視しています。
• 特に高齢の患者さんでは、治療そのものに加えて、退院後の生活、介護や支援体制、社会的なサポートが重要となる場合があります。
• メディカルサポート部門と早期から連携し、治療後の生活を見据えた支援を行っています。
当科の特徴
• 脳卒中、脳血管障害に対する治療として脳血管内治療(カテーテル治療)を重要な治療手段の一つとして位置づけています。脳血管内治療は、血管の中から治療を行う方法で、体への負担を抑えながら治療効果が期待できるという特
徴があります。
• 治療の安全性と正確性を確保するため、原則として全身麻酔下で治療を行っています。
• 脳神経外科医だけでなく、麻酔科医、診療放射線技師、臨床工学士、看護師などが連携した多職種チームで治療にあたっています。
医療連携
地域の開業医の紹介を通じて診察、画像検査等行います。当院での治療が終了した際には地域連携を通じてかかりつけ医の下での通院をお願いしております。当院では定期的な画像診断を継続いたします。
認定・研究等
日本脳神経外科学会専門医認定指定訓練病院です。専門研修プログラムの基幹施設である名古屋大学脳神経外科の連携施設として、専門医育成に参画しています。
日本脳卒中学会研修教育施設および一次脳卒中センターの認定を取得しており、脳神経内科と共同して脳卒中診療を行っています。
- 当院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い
現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database: JND)」に協力しています。2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させていただき、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、その旨をお申し出くださいますようお願いいたします。その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、脳神経外科学会ホームページ(https://jns-official.jp/public/studyinfo)をご参照ください。
本院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い
主な疾患
| 疾患名 | 疾患の簡易解説 |
|---|---|
| 脳卒中 | 脳卒中は、脳の血管が閉塞または破綻することによって生じる急性の脳血管障害の総称です。主に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分類され、発症後の対応の速さが生命予後および後遺症の程度に大きく影響します。 【主な症状】 以下のような症状が突然出現した場合には、脳卒中の可能性があります。 • 片側の上下肢の脱力・しびれ • 言葉が出にくい、理解しにくい • 視野障害、片側が見えにくい • 突然の激しい頭痛や意識障害 これらの症状を認めた場合には、速やかな医療機関受診が必要です。 【治療方法】 脳卒中の治療は、病型・発症からの時間・全身状態を考慮して決定します。 • 薬物治療 • 血管内治療(脳動脈瘤塞栓術、脳血栓回収術) • 外科手術(開頭手術、内視鏡手術) • 状況に応じた経過観察 【治療後の支援】 急性期治療後は、後遺症の程度や生活状況を踏まえたリハビリテーションや退院支援が重要です。医療スタッフが連携し、退院後の生活を見据えた支援を行います。 |
| 脳血管障害 | 脳ドックなどの普及により、無症状の状態で発見される脳動脈瘤、頭頚部血管狭窄、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻などが対象となります。疾患の発症を未然に防ぐ予防的治療であるため、治療の効果と安全性のバランスに配慮した治療が大切です。 「脳卒中治療ガイドライン」に準拠したうえで、患者さん個別の状態を加味した治療方針のもとに診療を行います。 【治療方法】 未破裂脳動脈瘤 • 血管内治療(脳動脈瘤塞栓術、フローダイバーター留置術) • 外科手術(開頭クリッピング術) • 経過観察(定期的な画像 検査のもと) 頭頚部血管狭窄 • 血管内治療(血管拡張術) • 外科手術(頚動脈内膜剥離術、脳血管バイパス術) • 経過観察(定期的な画像 検査のもと) |
| 頭部外傷 | 頭部外傷は、転倒や外傷によって頭部に外力が加わることで生じる脳や頭蓋内の損傷です。特に高齢者では、軽微な外傷でも遅れて出血を生じることがあります。 【主な症状】 以下の症状がみられる場合には、医療機関での評価が必要です。 • 頭部打撲後の頭痛や嘔気 • 意識レベルの変化、反応が鈍い • 歩行障害、ふらつき • 受傷後しばらくしてからの症状出現 受傷直後に症状が軽くても、数日〜数週間後に悪化することがあります。 【治療方法】 治療は病態に応じて以下を選択します。 • 保存的治療(安静・内服・経過観察) • 外科的治療 • 状況により低侵襲治療 すべての頭部外傷で手術が必要となるわけではありませんが、慎重な判断が重要です。 【高齢者の頭部外傷への対応】 高齢者では、フレイルや認知機能低下、生活環境の影響が治療経過に関与することがあります。当院では、治療のみならず、退院後の生活を見据えた支援を早期から行う体制を整えています。 |
| 痙縮 | 痙縮(けいしゅく)は、筋肉が過度に緊張し、硬くなる状態です。脳卒中、頭部外傷、脊髄損傷、低酸素脳症、脳炎・髄膜炎など、さまざまな疾患が原因となります。 【主な症状】 • 手指が握ったまま開きにくい • 足首や膝関節が動かしづらい • 歩行や着替えなどの日常生活動作に支障が出る 重度の痙縮では、持続する痛みや睡眠障害の原因となり、生活の質を大きく損なうことがあります。 【治療方法】 • リハビリテーション • 内服治療 • ボツリヌス毒素(BoNT)療法 • 髄腔内バクロフェン投与(ITB)療法 特にITB療法は、重度の痙縮に対して効果が期待できる治療法です。 当院ではリハビリテーション科と協力し、患者さま一人ひとりに最適な治療法を検討します。 術後はかかりつけ医療機関と情報を共有しながら、継続的な痙縮管理を行います。 |
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