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小児科診療の停止について

女性診療科の診療内容

特色

 女性診療科

中部ろうさい病院の女性診療科(女性外来)は特定の診療科に限定されない総合外来です。女性の健康不安全般に対応しますので、「どこに相談すればいいかわからない」という女性のココロやカラダの悩みの解決をお手伝いします。内容によって該当科に紹介いたしますが、紹介後の経過についての再相談にも応じています。つまり患者さんが納得のいく医療を受けていただくためのよろず相談外来と考えていただければ良いと思います。中部労災病院の女性総合外来は2002年3月にスタートした東海地方初めての女性総合外来です。女性の社会進出がめざましいと言われだしたのは21世紀の初めですが、当時医療の現場には女性医師が少なかったため、気軽に心身の悩みを男性医師に相談することに抵抗感を持つ女性も少なくありませんでした。そこで、女性が気軽に健康不安を相談できる場として設けられたのが女性外来です。

初期の女性外来(2002年から2008年)には乳腺や婦人科・泌尿器科系の悩みをもち、男性医師に相談し辛いという理由で受診される方が大半でした。しかし女性外来が誕生して20年余りが経つ昨今では、女性外来の在り方も大きく変わっています。開設当時の「女性特有の疾患に関する相談」に対して、最近は子供の不登校や本人の就業不安、配偶者や両親の介護不安などの心の問題を抱えての受診が増えています。この20年の間に日本では女性医師数が増加し、ほとんどの診療科で希望すれば女性医師に診察をうけることが対応可能となったためいわゆる解剖生理学的な女性特有疾患は減少したのでしょう。反面、仕事と家庭の両立、ワンオペになりやすい育児や介護など社会における女性には厳しい状況がまだまだ継続していることが女性外来の患者さん動向をみてもわかります。精神的なストレスが体調不良の原因であることも多く、女性外来ではストレス性疾患と器質的疾患(カラダそのものの病気)との鑑別をおこなうことが大きな役割になっています。


医療連携

女性診療科は総合外来であり婦人科・内科各科・乳腺外科・泌尿器科・口腔外科など他科と連携を行います。臨床心理士カウンセリングも可能です。精神科・心療内科疾患については症状に応じて院内・院外医療施設の紹介もしています。


女性外来Q&A

Q1) 女性外来はどのような外来ですか?

A1) 女性外来は総合内科です。
 女性医師が担当し健康不安全般を対象としています。

Q2) 労災病院の女性外来で診てもらえるのはどんな病気ですか? どんな症状だったら女性外来に行っていいのでしょうか?

A2) どんな症状、病気でもかまいません。
原因はわからないけれどからだに痛みがある、体調が悪い、気分がすぐれないなど、ご自分の健康に不安を感じている女性なら、病気の種類、体の部位に関わらずどなたでもご相談ください。頭痛やめまい、しびれ、異常な発汗、ほてりなど「この程度で病院に行ってよいのか」とか、「どの診療科を受診してよいのかわからない」などが理由で受診をためらっていた方も、原因や病名が判明し、症状が改善した例がたくさんあります。

Q3) 実際にはどんな病名の人が多いですか?

A3) さまざまな病名の方がいらっしゃいます。
婦人科系(子宮や卵巣)の疾患、精神的な疾患、その他の疾患(認知症、パーキンソン病、膠原病、心疾患、呼吸器疾患、皮膚科・形成外科疾患など)がおよそ1/3ずつとなっています。

Q4) 女性外来と婦人科はおなじですか?

A4) 内科外来なので婦人科とは異なります。
更年期に起こりやすい体調不良の鑑別診断は行いますが、ホルモン療法などは婦人科(女性医師が対応)にご紹介します。

Q5) カウンセリングも受けられますか

A5) はい、受けられます。
女性の体調不良は育児や介護、人間関係のストレスなど心因性因子が大きく関与していることが少なくありません。女性外来では必要に応じてく臨床心理士によるカウンセリングを受けることができます(保険診療外)。

Q6) どのように受診するのですか?

A6) 完全予約制です。労災病院にかかったことがなくても電話で診察予約を取ることが可能です。
その際、女性外来担当スタッフが受診の理由や現在の状態などおたずねすることがあります。


主な疾患

疾患名 疾患の簡易解説
女性に起こりやすい病気のスクリーニング 乳腺疾患の多くや子宮・卵巣の異常が女性に多いことは当たり前ですが、膠原病(リウマチ関連)や甲状腺などの内分泌疾患、骨粗鬆症などあきらかに男性よりも女性に起こりやすい疾患があります。女性外来では患者さんの訴え・症状から、女性に多い疾患のスクリーニングが可能です。結果により女性スタッフが行う乳腺検診・婦人科検診をご案内することも可能です。
更年期障害・更年期うつ 閉経前後(40歳から60歳代)の女性は内分泌環境の変化により体調不良を起こしやすくなるようです。ホットフラッシュや発汗異常などの身体的ホルモン欠落症状ばかりでなく、関節痛、頭痛・めまい、倦怠感や意欲低下などさまざまな症状が出現します。内分泌環境の変化ばかりでなく、疲労や精神的ストレスが身体症状の原因になることも少なくありません。更年期障害の治療には婦人科で行うホルモン補充治療が有効な場合がありますが、うつ症状は女性ホルモンの関与以外にもいろいろな増悪因子があり精神・心療内科的治療を必要とすることも少なくありません。女性外来では症状に応じた適切な治療法のアドバイスをいたします。
月経前緊張症・月経前不快気分症 月経前・月経中の頭痛やむくみ、気分のおちこみ、いらいら、情緒不安定などは多くの女性が経験する症状ですが、なかには症状が強く、生活に支障をきたしてしまうこともあります。婦人科でのホルモン剤治療が有効な場合がありますが、もともとのパニック障害や神経症の症状が強く現れている可能性も否定できません。女性外来ではどのような治療の選択肢があるかを一緒に医考えていきます。
不定愁訴の相談 微熱、ふしぶしの痛み、頭痛、しびれ、めまい、喉がつまる、胸が苦しい、動悸・食欲不振・過食・意欲低下・倦怠感・不眠などの症状は原因の診断がつきにくく、一般的な健診では症状があるにも関わらず「異常なし」の場合があります。女性外来では器質的異常の有無の確認、器質的異常が見つからない場合の対応法など検討し治療方針をアドバイスしていくことが可能です。
介護の悩み 介護は女性のみの問題ではありませんが、実際はまだまだ女性が担う場合が多いのも事実です。特に認知症の介護には非常に大きな精神的・身体的負担を伴います。介護が原因で体調不良やうつ・神経症を発症することも珍しくはなく、非常に大きな健康不安の原因のひとつです。女性外来では介護の悩みについてのアドバイスをおこなっています。制度説明など医療相談員との連携も可能です。
育児の悩み 育児の悩みは母親がひとりで抱えてしまうと解決が難しくなってしまうことがあります。育児そのものの悩みばかりでなく、育児と仕事の両立など働く女性としての悩みについても医師のみでなく臨床心理士もともにアドバイスを行います。
どこを受診すれば良いかわからない・女性医師・スタッフに相談したい時 症状があっても「何科を受診すればよいかわからない」、健康不安があっても「ちょっと男性医師には相談しにくい」と感じる場合には女性総合外来へ相談してください。原則的には女性総合外来はどのような主訴にも対応し、治療の方向性をアドバイスします(治療は該当科をご紹介します)。

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