重要なお知らせ
小児科診療の停止について

呼吸器内科の診療内容

特色

現在、高齢化に伴い、呼吸器疾患の重要性が高まっています。肺炎は日本人の高齢者の死因の上位を占め、肺癌は日本人の悪性腫瘍の中で死亡原因としては1位となっております。また、医療の高度化に伴い、他疾患に肺合併症をきたすことも増えてきております。当科は、そうした社会の必要性に合わせ、診療体制の整備を進め、呼吸器外科と連携し呼吸器病センターとして多様な呼吸器疾患に対応できる体制を整えております。

また、勤労者医療を担い、当院予防医療センターとリンクし「アスベストセンター」を設け、診断から管理、治療まで一貫して行っております。じん肺症など、他の職業性呼吸器疾患の診療にも力を入れております。

連携

慢性呼吸器疾患に対しては、リハビリテーションが必要となるケースが多いため、リハビリテーション科と密接な連携をとっています。また、肺癌など悪性腫瘍の患者さんにおいては、早期診断・最近の医療の提供を目指し、近隣の医療機関と連携し診療にあたっております。間質性肺炎の患者さんにおきましては、より専門的な医療機関との情報交換を行い、適切な治療選択ができるよう努めております。

2018年からは、よりスムーズな受診が行えるよう近隣の医療機関を通じて外来のインターネットWeb予約ができるシステムを導入しております。


主な疾患

 疾患名 疾患の簡易解説
肺がん  肺がんは非小細胞がんと小細胞がんの2つに大きく分類されます。さらに非小細胞がんは腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどに分類されます。日本人の肺がんで最も多いのは腺がんで、次に扁平上皮がんが多いです。腺がんなどの非小細胞がんでは一般的に臨床病期0期から3期の一部までが手術の適応で、それ以外の病期では化学療法(抗がん剤)や放射線治療を行います。一方、小細胞がんの多くは化学療法や放射線治療を行いますが、早期の場合は手術を行うこともあります。
転移性肺腫瘍 転移性肺腫瘍とは、他の臓器でできたがんが血管やリンパ管をめぐって肺に到達し、できもの(腫瘍)になったものをいいます。もともと肺にある細胞ががんとなる、いわゆる(原発性)肺がんとは異なります。肺がんであれば、肺がんを専門とする医師が治療方針を決定しますが、転移性肺腫瘍の場合、その腫瘍の顔つきがおおもとのがん(原発巣)と同じであるため、原発巣を担当する医師が治療方針を決定し、もし手術が必要であれば呼吸器外科で手術を行います。
縦隔腫瘍 右と左の肺に挟まれた部分を縦隔といい、上縦隔、前縦隔、中縦隔、後縦隔に分類されます。これらの縦隔に発生する腫瘍のことを縦隔腫瘍といい、その中で最も多いものが胸腺腫です(約40%)。縦郭腫瘍は、多くの場合症状がありませんが、腫瘍が大きくなるにつれて、胸の痛みや違和感、呼吸困難や嗄声(声のかすれ)を認めることがあります。腫瘍の種類によって治療方針は変わりますが、手術を行うことが多いです。
悪性胸膜中皮腫 悪性胸膜中皮腫は、肺の表面をおおう胸膜と呼ばれる部位から発生する悪性腫瘍で、多くはアスベスト(石綿)が原因と言われています。初期の段階では症状がないことが多いのですが、腫瘍が大きくなると、胸の痛みや咳、胸水貯留による息苦しさを認めるようになってきます。非常に治りにくい疾患のため、手術や化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。過去にアスベスト(石綿)を取り扱っており、現在、胸の痛みや咳などの症状がある方、その他ご心配がある方はご相談ください。
気胸 気胸(自然気胸ともいいます)は、"肺に穴があいて肺がつぶれる"病気です。ほとんどの患者さんは肺の表面にある肺のう胞(ブラともいいます)の破裂が原因で気胸になります。肺がつぶれるため、胸や背中の痛み、咳、息切れなどの症状が出現します。初めての気胸であり程度も軽い場合は、安静にして経過をみることが多いですが、そうでない場合は胸の中(胸腔)にドレーンという管を入れることもあります(胸腔ドレナージ)。胸腔ドレナージを行っても良くならない場合は、手術(胸腔鏡というカメラを使用した手術)が必要になります。
 膿胸 膿胸とは、胸の中(胸腔)に膿や膿様の液体が貯留した状態のことをいいます。原因としては、肺炎などで肺の中に生じた炎症が胸腔におよぶことによって生じるものや、食道や肺などに対する手術後の合併症として発症するものなどがあります。症状としては、発熱や胸の痛み、息苦しさがあります。また、重症化するとショック症状(血圧低下、意識障害)を起こすこともあります。治療は、適切な抗菌薬の投与と膿をからだの外に出すこと(排膿)ですが、これらの治療を行っても良くならない場合は手術を行います。

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