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小児科診療の停止について

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頭部・頸部の症状/疾患

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多く脳の一部が変性することによりもの忘れなどが生じる病気です。原因はまだ完全には解明されていないものの脳の神経細胞に特定のタンパク質がたまることが関与していると考えられています。遺伝性のものもあります。現段階では根治治療はありませんが進行抑制のための薬物療法を行います。

顔の痛み

顔面の疼痛は三叉神経痛と呼ばれます。原則片側だけに、洗顔や髭剃りなどの時に瞬間的な強い痛み(電撃痛)が起こります。痛みのコントロールには抗てんかん薬が有効ですが、難治例では脳外科的に除圧術を行う場合もあります。副鼻腔炎(蓄膿症)でも頭痛や顔の鈍痛がおこることがあります。帯状疱疹が三叉神経領域に起こり激しい痛みを伴うことがあります。

海綿状血管腫

脳の中に発生する海綿状に膨らんだ異常血管のかたまりを海綿状血管腫といいます。 無症状のものから、出血を繰り返し痙攣を発症することもあり、適切な治療が必要です。専門医のいる病院受診をお勧めします。

下垂体腫瘍

下垂体と呼ばれるホルモン産生する部位に腫瘍が生じることがあり、下垂体腺種と呼ばれる良性腫瘍が大部分を占めます。鼻腔より細径の内視鏡を挿入し下垂体病変へ到達します。脳腫瘍と同様に様々な治療法があり、適切に判断します。内視鏡手術ではより視野が広く取れるため低侵襲で安全な手術が可能です。

顔面骨骨折

手足の骨折は整形外科、顔面の骨折治療は形成外科で行います。車の安全性能が上がり、バイクのヘルメット装着率が上がったため、全国的に以前よりは顔面の骨折発生頻度は減っているようですが、最近はお年寄りの自転車転倒やスポーツ時の外傷などにより起こることも多く、形成外科では症状に応じてできるだけ目立たない切開より骨折整復を行い、同時に傷跡の目立ちにくい縫合や術後のケアを行っています。

顔面神経麻痺

脳梗塞やの脳出血などの病気で片側の瞼が下がる、口が歪むなどの症状が出現することがありますがこれは顔の筋肉の麻痺であり通常手足の麻痺も伴います。そのような脳の症状ではなく顔の筋肉を動かす末梢神経である顔面神経の炎症によって顔筋麻痺がおこります。大抵は突然発症で、冷たい風に長時間あたる、氷枕が冷たすぎるなどが誘因になることもあります。ビタミン剤や重症例ではステロイドホルモン剤で治療します。帯状疱疹(みずぼうそう)のウイルスが原因の顔面神経麻痺(ハント症候群)では耳介に水疱が現れ、抗ウイルス薬を使用することもあります。

急性期脳梗塞

急性発症の脳梗塞のうち、外科治療が必要な場合、脳神経外科で対応します。急性期治療には大きく脳血栓溶解療法(tPA)と脳血栓回収療法があります。これらの治療は従来の内科治療より機能回復に優れているとされています。中部ろうさい病院は一次脳卒中センターの認定を受けており急性期脳卒中の治療を常時行える体制を整えています。

くも膜下出血

くも膜下出血の多くは頭蓋内血管に形成された瘤(脳動脈瘤)が破裂することにより生じます。緊急性の高い疾患で、再破裂予防のための処置を行う必要があります。外科治療には開頭手術による動脈瘤頚部クリッピング手術と血管内治療(カテーテル治療)によるコイリング手術があります。

後頚部の痛み

首の後ろの慢性的な疼痛は頚部から背中にかけての筋肉(主に僧帽筋)の過緊張、すなわち肩こりによることが多いです。後頚部から頭皮へのビリビリした痛みは大後頭神経痛とよばれ凝った筋肉による絞扼性障害のひとつです。一方、急激に起こる、非常に激しい後頚部痛は脳に分布する動脈の血管壁解離が原因のことがありますので、すみやかに救急外来へ受診してください。

甲状腺がん

甲状腺は頸部の下端にあり気管の前面に位置する臓器です。そこから発生する悪性腫瘍が甲状腺がんです。治療は主に手術ですが必要に応じて放射線治療や薬物療法も適応になります。中部ろうさい病院耳鼻咽喉科では他院からの紹介や内科からの依頼など幅広く患者さんを受け入れ、内視鏡下手術も積極的に実施しています。

甲状腺機能低下症(橋本病)

原発性甲状腺機能低下症で最も多いのは慢性甲状腺炎(橋本病)です。橋本病は自己免疫疾患の一つで、主な症状は甲状腺腫大です。血中甲状腺ホルモン(fT3, fT4値)の低下と甲状腺刺激ホルモン(TSH)値の上昇、甲状腺に対する自己抗体が陽性となることで診断されます。血中甲状腺ホルモン値が低下するため、徐脈、心肥大、うつ状態、筋力低下、脱毛、皮膚乾燥、過多月経、低体温などの症状がみとめられます。甲状腺ホルモン製剤の内服で補充療法を行います。

三叉神経痛

三叉神経痛とは顔の感覚を脳に伝える脳神経(三叉神経)の異常興奮が原因で顔に激痛が起こる疾患です。片側のみに症状があり、洗顔・髭剃り・食事(ものを噛む)などの知覚刺激や動作がトリガー(ひきがね)になります。通常の鎮痛薬は効果が乏しく、疼痛コントロールには抗てんかん薬が著効します。典型的三叉神経痛は脳血管が神経を圧迫することによって起こるため内科的治療に抵抗性の場合は血管の圧迫を解除する手術を行うこともあります。糖尿病や多発性硬化症などの疾患に伴うことも知られています。

頭痛

頭痛には脳腫瘍・脳卒中(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞など)の器質的疾患に伴う頭痛と、脳などの組織に異常がない器質的疾患に伴わない頭痛(機能的頭痛)に分類されます。発熱があり嘔吐を伴う頭痛、首が痛くて顎の先が胸につかない後頚部痛などの場合は髄膜炎の頭痛を疑います。機能的頭痛の大半は肩こりなどから誘発される筋緊張性頭痛で、頭全体の締め付けられるような痛みが出現します。片頭痛は脳表面の硬膜血管の拡張を原因とする頭痛で、目のチラツキや視野異常などの前駆症状を伴うことがあり血管性頭痛と呼ばれます。頭痛の診療には器質的頭痛の否定が必要です。普段からの頭痛の有無に関わらず突然の「今まで経験したことのない痛み」や手足のしびれ・運動麻痺・嘔吐を伴う、視野が狭い・視力が急におちるなどの症状がある場合は速やかに脳神経内科・外科、救急外来への受診が必要です。

正常圧水頭症

歩行障害、認知機能障害、尿失禁が主な症状です。画像診断および髄液検査(タップテスト)で臨床診断が確定され、外科的手術(シャント手術)を行います。脳外科と脳神経内科が連携して適切な診断・治療を行います。 

多発性硬化症

大脳・小脳・脊髄・視神経など多数の部位に自己免疫異常による炎症がおこり、手足の運動麻痺やしびれ感、ふらつき、排尿障害など多様な症状を呈します。若い女性に発症することが多く、回復と再発を繰り返して運動・感覚障害や知的機能の低下が進行していく場合があります。急性期はステロイドホルモン剤や免疫グロブリンを使用して炎症を抑えます。その後は再発予防薬を用い、新しい病変の出現や大脳皮質の萎縮を予防します。(厚労省指定難病)

中大脳動脈閉塞症・狭窄症

中大脳動脈閉塞症・狭窄症を示す慢性期脳梗塞に対して側頭部の頭皮を栄養する血管と中大脳動脈を吻合するバイパス手術を行い脳血流の確保を図ります。

痛覚変調性頭痛

片頭痛・緊張性頭痛の患者さんが慢性的に「痛い」状態にあると実際は痛みが生じる筋緊張や血管拡張はないのに痛くなってしまう・・・脳が痛みを覚えてしまっている状態といわれます。痛みを感じやすくなっている状態といってもよいでしょう。片頭痛や緊張性頭痛の治療と同時に痛みの閾値を正常化するために抗うつ剤やセロトニン再吸収阻害剤の内服薬が有効です。

低髄液圧症候群

交通事故・スポーツ外傷などが原因で脳脊髄を覆う膜(硬膜)が破れ、脳脊髄が髄液腔外へ漏れて減少するため頭痛・頚部痛・めまい・耳鳴り・倦怠感・不眠・もの忘れなどさまざまな症状が起こります。仰臥位など寝ている姿勢ではなんともないのに立ち上がると(立位)症状が出現することが特徴です。心因性の不定愁訴と区別がつきにくく、MRIやシンチグラフィーなどで髄液の漏れを証明しなければなりません。髄液が漏れている場所が確認できれば硬膜下血液パッチ(ブラッドパッチ)などの手術治療が可能です。

てんかん(小児)

てんかんというと全身がガクガクとけいれんする病気だと思われるかもしれませんが、実際にはボーッとするてんかん発作や口が動くてんかん発作など症状は様々です。小児科ではMRIや脳波などの検査に加え、薬による治療を行っており定期的に通院されている方も多くいらっしゃいます。また、より精密な検査や外科手術などの専門治療が必要な場合には専門施設への紹介も行います。16歳以上になっても治療の継続が必要な場合は脳神経内科あるいは専門施設への紹介となる場合があります。

頭頸部がん

咽頭、喉頭、口腔、舌、耳下腺など様々な部位から発生する悪性腫瘍です。これらは主に耳鼻咽喉科で治療を行います。治療としては手術、放射線、薬物療法、免疫療法などが挙げられます。どの治療法が良いのかは症例によって異なるため、最適な方法を患者さんと相談して選択していきます。

頭頸部良性腫瘍

耳下腺、顎下腺、副鼻腔、甲状腺などの耳鼻咽喉科領域全般に発生する良性の腫瘍です。症状が現れないものから悪性腫瘍に準じた治療を必要とするものなど多岐に渡る種類があります。その種類に応じて、個々の患者様に適した治療方針を選択し、必要がある場合はに耳鼻咽喉科で手術を行っています。甲状腺良性腫瘍に対しては積極的に内視鏡下手術を選択しています。

頭部外傷

転倒・転落や交通事故等で頭部を受傷された場合、脳神経外科で対応します。受傷後急性期(1週間以内)は症状の変化が大きく入院が必要な場合もあります。また、受傷して1カ月以上経過して発症する疾患(慢性硬膜下血腫)があります。歩きにくさや認知機能の悪化、頭痛が徐々に進行することが多く、まれには意識障害が出現します。外傷後に「おかしい」と感じたらの脳神経外科を受診して下さい

内頚動脈狭窄症(脳神経外科)

脳梗塞の原因の一つです。近年高血圧・高脂血症・糖尿病など生活習慣病の合併や食事形態の変化に伴い患者数は増加傾向です。症状のない内頚動脈狭窄(無症候性)と一過性の脳虚血症状(TIA)や永続する麻痺や構音障害など発症し判明する内頚動脈狭窄(症候性)があります。症状に応じて内科的治療・外科的治療(内膜剥離手術:CEA・頚動脈ステント治療:CAS)が必要か判断します。

内頚動脈狭窄症(脳神経内科)

動脈硬化が進行すると頚動脈血管壁に余分なコレステロールが沈着し頚動脈の狭窄がおこります。そのため心臓から脳への血流が低下する、狭窄の原因であるプラークや血栓が一部はがれて多数の脳血管に飛散して詰まり多発塞栓をおこすなど脳梗塞のリスクが高くなります。また、一過性の麻痺や言語障害などの神経症状の出現と回復を来す一過性脳虚血発作(TIA)が起こることもあります。治療は抗血小板薬などの薬物治療に加えて頚動脈ステント留置術や頚動脈内膜剥離術を行う場合があります。頚動脈狭窄は無症候のまま脳ドックで偶然見つかることも多く、その場合も頚動脈超音波検査や頚動脈MRA、脳血流検査などを検討し、脳梗塞のリスク因子の管理や薬物治療など今後の対応を検討します。

認知症

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭葉型認知症を4大認知症といい、認知症の90%以上は4つのどれかに該当するといわれます。なかでもアルツハイマー型認知症が最多で認知症というと物忘れが目立つアルツハイマー型を思い浮かべる人も少なくありません。レビー小体型は幻視や動作緩慢が初期症状です。脳血管性認知症は脳出血や脳梗塞が原因で起こり、もの忘れ・判断力の低下のほか嚥下障害や歩行障害を伴います。前頭側頭葉型では初期には物忘れが目立たず、人格変化が目立ちます。認知症の種類によって進行の速度や形式が変わるため早期診断が重要です。また認知症の中には外科手術による治療や内科疾患に伴う進行抑制可能な認知症、薬物による偽性認知症などがありMRIや脳血流検査、血液検査などで鑑別していきます。

脳炎・髄膜炎

脳炎・髄膜炎とは脳や脊髄、これらを包む髄膜に炎症が起こった状態です。原因としてウイルスや細菌などの感染性、自己免疫システムの異常から炎症を起こす自己免疫性、薬剤性や腫瘍性などがあります。発熱・頭痛・悪心嘔吐・後頚部痛・けいれん発作が起こり、意識障害や異常行動など多彩な症状が起こります。出来るだけはやく受診しMRIなどの画像検査、腰椎穿刺による髄液検査などを行い総合的に診断しますが、早期診断と治療が重要です。

脳梗塞(脳神経内科)

脳梗塞とは何らかの原因で脳の動脈が閉塞し、血流が途絶して脳の一部が壊死してしまう病気です。脳血管の動脈硬化が原因の脳血栓と、心臓でできた血栓や頚動脈壁のコレステロールのかたまりや血栓が脳内の血管に達して詰まる脳塞栓とがあります。脳の障害部位によって、半身麻痺やことばの障害、感覚障害などいろいろな症状が出現し、しばしば後遺症が残ります。発症から数時間以内であれば血栓溶解療法(t-PA静注療法)や血管内カテーテル治療で壊死に陥りかけた神経細胞を救済できる可能性があります。高血圧や糖尿病、心房細動、脂質異常症、慢性腎臓病、喫煙、肥満などが発症の危険因子です。

脳出血

一般的に高血圧に関連した脳出血(高血圧性脳出血)が最も多く、高齢化に伴い発症するタイプの脳出血(脳皮質下出血)や内服している血液サラサラ薬(抗凝固薬・抗血小板薬)により二次的に生じる脳出血も増大傾向です。外科的手術が必要な場合、全身麻酔下に開頭血種除去あるいは内視鏡下血種除去、脳室ドレナージなどを行います。

脳腫瘍(良性・悪性)

脳腫瘍は脳実質自体から生じる脳腫瘍(グリオーマとも呼ばれる)と、脳・神経の周囲の構造物(硬膜や神経鞘)から生じる腫瘍(良性腫瘍が多い)に大きく分かれます。また、がんの中には脳に腫瘍が転移するものがあります。麻痺や言語障害、視野障害など症状は部位により様々です。まずは画像診断をすることをお勧めします。必要に応じて手術や薬物治療、放射線治療など組み合わせて治療します。確定診断には手術による病理検査が必要です。

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)

交通事故・スポーツ外傷などが原因で脳脊髄を覆う膜(硬膜)が破れ、脳脊髄が髄液腔外へ漏れて減少するため頭痛・頚部痛・めまい・耳鳴り・倦怠感・不眠・もの忘れなどさまざまな症状が起こります。仰臥位など寝ている姿勢ではなんともないのに立ち上がると(立位)症状が出現することが特徴です。心因性の不定愁訴と区別がつきにくく、MRIやシンチグラフィーなどで髄液の漏れを証明しなければなりません。髄液が漏れている場所が確認できれば硬膜下血液パッチ(ブラッドパッチ)などの手術治療が可能です。

脳動静脈奇形

脳卒中を起こす稀な疾患です。頭部MRIおよび造影検査にて診断されます。動静脈奇形・硬膜動静脈瘻では外科治療として開頭手術、血管内治療があり、症例により放射線治療を組み合わせます。

橋本病

原発性甲状腺機能低下症で最も多いのは慢性甲状腺炎(橋本病)です。橋本病は自己免疫疾患の一つで、主な症状は甲状腺腫大です。血中甲状腺ホルモン(fT3, fT4値)の低下と甲状腺刺激ホルモン(TSH)値の上昇、甲状腺に対する自己抗体が陽性となることで診断されます。血中甲状腺ホルモン値が低下するため、徐脈、心肥大、うつ状態、筋力低下、脱毛、皮膚乾燥、過多月経、低体温などの症状がみとめられます。甲状腺ホルモン製剤の内服で補充療法を行います。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

自己免疫異常による甲状腺機能亢進症です。比較的女性に多く、体質が影響する部分もあり、しばしば1型糖尿病と同時に見つかります。甲状腺に対する刺激抗体により血中甲状腺ホルモン(fT3, fT4)値が上昇し、動悸、発汗、イライラ感、下痢、体重減少などの症状が出現します。治療としては、まず内服薬が多くで選択されますが、改善が不十分の場合は手術療法や放射性ヨウ素内用療法が行われます。

パーキンソン症候群

パーキンソン病(別項)と同じような症状を呈しながら、別の原因と関連している疾患をまとめてパーキンソン症候群とよびます。脳梗塞によるパーキンソン症状、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症やパーキンソン病以外の脳変性疾患(進行性核状性麻痺・多系統萎縮症など)が含まれます。認知症のひとつであるびまん性レビー小体病でも歩行障害などパーキンソン病に似た症状が認められます。パーキンソン症候群の疾患はパーキンソン病と異なり内服治療の効果が乏しいことが多いです。

パーキンソン病

パーキンソン病とは手足の振戦(ふるえ)やこわばり、動作緩慢、転びやすいなど運動症状を初発症状とする脳の変性疾患です。60歳以上の100人に1人の発症といわれます。抗パーキンソン剤の内服が有効です。レビー小体型認知症にも同様の運動症状が出現します。また進行性核上性麻痺、正常圧水頭症、多発性脳梗塞でもパーキンソン病に似た症状を呈します(パーキンソン症候群と呼ばれる)が、薬の効果があまりありません。抗精神病薬や胃腸薬の副作用でパーキンソン症状を呈することもあります。(厚労省指定難病)

片頭痛

肩こりなどから起こる緊張型頭痛が「頭が締め付けられるように痛い」のと異なり、片頭痛の痛みは「ズキズキとま脈打つような痛み」と表現される頭痛です。何らかの原因で脳を包む硬膜の血管が急激に拡張することによって起こります。ストレス、睡眠不足、天候、飲酒などがきっかけのことが多く、女性では月経前緊張症候群の一つの症状になることもあります。非ステロイド系消炎鎮痛薬、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬の効果に乏しく、トリプタン製剤など血管収縮を促す鎮痛薬をタイミングよく服薬する必要があります。頻回に起こる例では予防薬として血管拡張作用のある薬や抗うつ剤、抗てんかん薬を内服する場合があります。最近は発症抑制薬として痛み物質の伝達を抑える注射薬も使用できるようになりました。

まぶたのけいれん

眼瞼(まぶた)けいれんとは眼の周りの筋肉がけいれんして目が開けにくくなる、まばたきが上手にできないなどの症状です。顔半分が自分の意思と関係なくピクピクするのは顔面痙攣で、口のひきつるような動きが特徴です。人前で緊張したり、ストレス、疲労などが引き金になります。両者とも抗けいれん薬や神経ブロック(ボトックス治療)で治療しますが難治性の場合は超音波や放射線治療、脳外科手術が有効な場合もあります。眼瞼周囲のけいれんは顔面神経麻痺の治癒過程でおこることもあります。

未破裂脳動脈瘤

脳ドック等で発見されるものが多く、通常は無症状です。部位、大きさ、経過観察中の形状変化の有無等にて治療方針を決定します。破裂動脈瘤(くも膜下出血の原因)と同様、開頭手術と血管内治療があります。画像による経過観察(保存的治療)が選択されることもありますので専門医のいる機関を受診することがやはり重要と思われます。

めまい(脳神経内科)

めまい(めまい感)は天井や周囲がくるくる回る回転性めまいとふわふわする動揺性めまいに大別されます。脳血管障害に伴うめまいは回転性で悪心・嘔吐・ふらつきを伴うことが多いです。頭位変換性めまいは内耳性めまいともいわれ、耳石が三半規管内で動揺するために起こります。

もの忘れ

誰でも年齢が重なると「もの忘れ」をします。しばらく経ってから思い出すことのできる場合は年齢相応のもの忘れと考えられます。それに対して「昨日孫が来て一緒に遊んだ」など出来事自体を忘れてしまうもの忘れが頻回に起こる場合は認知機能の低下によるもの忘れの可能性があります。

もやもや病

脳卒中と似た病態を起こす稀な疾患です。一時的な言語障害や失語、手足の麻痺がしばしば認められます。拡張した「もやもや血管」が頭部のMRIや血管造影で認められます。脳血流を維持できるように血管のバイパス手術を行います。

薬物乱用頭痛

頭痛薬を飲む回数がふえると脳が痛みに敏感になり結果的に頭痛が起こりやすくなります(痛覚変調性頭痛)。薬剤による頭痛であることに気が付かずにますます内服の回数が増えると薬の効果もさらに薄くなってしまいます。起床時から頭痛がある、頭痛が月に15日以上あり頭痛薬を毎月10回以上使用するという場合は薬物乱用頭痛の可能性がありますので脳神経内科に相談してください。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多いと言われる認知症です。アルツハイマー型認知症と同様の物忘れ(記銘力障害)と同時に動作緩慢・転びやすいなどパーキンソン病によく似た症状を示し、小さな動物や虫が見えるなどの幻視が特徴的です。自律神経障害のための低血圧や誤嚥性肺炎が臨床的な問題になります。パーキンソン病と異なり内服薬の効果が出にくく、発症から5年から10年で寝たきりの状態となってしまい、パーキンソン病に比べると進行が速いといわれています。

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