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小児科診療の停止について

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四肢の症状/疾患

あしがつる

睡眠中にふくらはぎや足の筋肉に痛みを伴うけいれんがみられることがあります。健康なひとにもおこりますが、脱水や血液中の電解質異常、糖尿病などにともなう末梢神経疾患、甲状腺機能低下症などが原因になることがあります。利尿剤やアルコール依存が原因の場合もあります。

足の痛み

足の親指の付け根が赤く腫れ、激痛を伴う時は「痛風」の可能性があります。足の甲や足、膝関節、手・肩関節にも起こる場合があります。足のかかとが痛くなる場合は足底筋膜炎かもしれません。ハイヒールの常用、扁平足や長時間の立位、ランニングなどの足底への負担で起こります。整形外科的な異常のほかに動脈硬化によって脚の動脈が狭くなる・詰まるなど閉塞性動脈硬化症で足の痛みが起こります。

肩こり・首のこり

長時間同じ姿勢でいると後頚部や肩甲骨周囲の筋肉が凝り固まって緊張し、頭痛やめまいの原因になります。猫背やストレイトネックなど体型から肩こり・首こりが起こりやすい人もいますが、スマホを見続ける、不適切な姿勢でPC作業を長時間おこなうなどが誘因になります。肩こり・首こりからの頭痛やめまいは片頭痛とは異なり、ストレッチ、運動、温めることで軽快するのが特徴です。

関節痛

微熱を伴う関節痛はリウマチや膠原病の症状である可能性があります。レントゲン写真や血液検査で診断をします。痛風発作の痛みは発赤や腫れを伴い足の指、ひざ関節などによくみられます。インフルエンザやコロナなどのウイルス感染症では発熱に節々の痛みや筋肉痛を伴います。2から5指の第一関節が変形して曲がるヘバーデン結節は40代以降の女性に多い変形性関節炎です。

下肢切断者(義足)

下肢切断の原因は、従来は外傷が主体でしたが、最近では糖尿病・閉塞性動脈硬化症・骨軟部組織腫瘍・細菌感染症などが原因になることが多くなっています。また中高齢者の患者さんも増えています。切断患者さんには早期からリハビリテーションを行って切断部分の形を整え、仮義足を作成します。最近は見た目より機能を重視した義足が選択される場合が多くなり、切断部分にも負担が少なく、かつ切断した足の長さに適したソケット(切断部分を包んで義足をつなぐ部分)が選択できるようになりました。また、義足の関節部分にあたる膝継手や足継手においても歩行能力をより良好にするためのものを選択できるように努めています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは脳および脊髄の運動神経細胞が変性するため、四肢・のど・舌の筋肉が徐々に萎縮し動かなくなる病気です。筋力低下だけではなく飲み込みにくい・痰が出しにくいなどの症状が先行する場合もあります。呼吸筋の麻痺が進行すると人工呼吸器の装着が必要になります。残念ながら現在は根治させる治療法がなく、神経細胞保護剤による進行抑制や痛み・呼吸苦への対症療法が治療の中心になります。(厚労省指定難病)

ギラン・バレー症候群(GBS)

GBSとは風邪症状や下痢症状の治った後、主に運動神経を攻撃する自己抗体が血液に出現し、末梢神経の炎症が起こり手足の運動麻痺をきたす疾患です。数日・数週間で自然回復する例もありますが、重症例では呼吸筋麻痺や重度の不整脈を起こすことがあり、歩行障害などの後遺症が残る場合もあります。早期診断・治療(免疫グロブリン投与・血漿交換)が非常に重要です。神経伝導検査や髄液検査を行い診断します。

頚椎症性神経根症・頚椎椎間板ヘルニア

加齢に伴う頚椎変性(骨棘の形成)や椎間板の膨隆(ヘルニア)によって,椎間孔(神経の枝の出口)が狭くなり神経根が圧迫されて生じます。 片側の上肢のしびれ・痛み(多くは頚椎を後屈すると悪化),ときに上肢の筋力低下が認められ、頚椎MRI等で椎間孔の狭窄所見が診断の根拠になります。鎮痛剤の内服,ブロック加療,手術の順にリスクの低いものから段階を踏んで治療を行います。ブロック加療としては神経根ブロックや椎間板ブロック,手術療法としては人工椎間板置換術や前方椎体固定術などがあります。脳神経疾患(脳梗塞・末梢神経障害)などとの鑑別は脳神経内科で行います。

頚椎症性脊髄症

加齢に伴う頚椎変性(椎間板の膨隆,黄色靭帯の肥厚など)によって,頚椎の脊柱管の中にある脊髄本幹が圧迫されて生じます。 上肢や下肢のしびれ・運動障害といった症状に加え,頚椎MRIで脊髄の圧迫所見により診断します。しびれのみの場合は経過をみることが多いですが,進行してボタン・箸・書字など手指巧緻運動の障害や,歩行時のふらつきなど下肢運動障害が出てくると脊柱管を拡大する手術療法(椎弓形成術など)を考慮することになります。

股関節周囲の痛み

片方の脚に体重をかけると痛い、脚の付け根内側に痛みがあるなどの場合は股関節の問題があるかもしれません。大腿部や臀部の外側の痛みは股関節だけでなく股関節を囲む筋肉や靭帯・腱の問題が起こっている可能性もあります。脚の付け根に硬結を触れる場合は鼠径ヘルニアかもしれません。ランニングやサッカーなどのキック動作で恥骨に炎症が起きた場合もそけい部や恥骨の前面に痛みが生じます。

こむらがえり

睡眠中にふくらはぎや足の筋肉に痛みを伴うけいれんがみられることがあります。健康なひとにもおこりますが、脱水や血液中の電解質異常、糖尿病などにともなう末梢神経疾患、甲状腺機能低下症などが原因になることがあります。利尿剤やアルコール依存が原因の場合もあります。

転びやすい

病後や高齢になったための足腰の弱りなど転びやすくなったなと感じることがあります。頚椎ヘルニアで頸髄が圧迫された場合や小さな脳梗塞が多発している、末梢神経の病気で足の裏の感覚が鈍くなっている場合など病気が原因のこともあります。また、特に高齢者では睡眠導入剤の内服により夜間に目が覚めた時や起き抜けにふらついて転ぶこともあり薬の内服にも注意が必要です。

四肢骨折

青壮年に多い労災事故、交通事故などによる四肢の骨折に対し、保存療法または手術療法どちらが望ましいかを検討した上で加療を行っています。手術適応のあるものには髄内釘、ロッキングプレートなどを用いた骨接合術を行い、より強固な内固定を得ることにより、早期のリハビリテーションを開始し、早期の社会復帰を目指しています。最新の知識をもとに、安全に行うことを心がけております。

手根管症候群

手根管症候群では、手首の骨の隙間(手根管というトンネル)を通る正中神経が手根管内で圧迫され、特に親指、2指、3指のしびれや痛み、筋力低下が起こります。明け方に痛みで目が醒めることがあり、進行すると指先でつまむ細かい動作やペットボトルの蓋が開けにくいなどの症状も出現します。消炎鎮痛剤の内服や外用薬、装具などで治療しますが、これらが無効な場合は整形外科での日帰りでの手根管開放術を行います。利き手に症状がより強く現れることが多く、糖尿病などもともと末梢神経の脆弱性をきたす疾患をもつ人や、手首を屈曲する動作が多い仕事をするひとに発症率が高いことが知られています。

重症筋無力症

重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉のつなぎめで神経から筋への指令を伝える物質(アセチルコリン)が不足してしまうために、脳からの運動指令が伝わらず脱力のおこる自己免疫疾患です。瞼が下がる(眼瞼下垂)や物が二重に見える(複視)など眼の筋肉から発症することが多く、四肢や首の筋力低下が加わることもあります(全身型)。鼻声や、咬む、飲み込む力の疲労のため嚥下障害が起こることもあります。朝は調子が良くても、すぐ疲労して悪化するという時間によって症状が変動することが特徴です。重症筋無力症にはステロイドホルモン剤や免疫グロブリンの大量投与が有効です。眼筋型と全身型があり、全身型の一部の症例では免疫に関する臓器である胸腺を外科的に摘出することもあります。(厚労省指定難病)

上肢切断(能動義手・筋電義手)

労災保険では、平成25年以降労働災害による上肢切断者に対して、電気の力で動かす筋電電動義手を支給する制度ができました。中部ろうさい病院リハビリテーション科では能動義手製作訓練を積極的に行うと同時に、適応のある患者さんには評価用筋電義手を無料で貸し出して、病院だけでなく自宅での練習に使用していただき、労働局と協力して、支給の必要性の判断を行っています。また、労働災害以外の上肢のない方(成人および小児の先天性上肢欠損者を含む)にも筋電義手が必要と思われる場合は、同様の練習の場を提供して、障害者総合支援法に基づいた自治体への意見書を作成しています。

大腿骨近位部骨折

高齢者が転倒し、股関節痛で歩けなくなる場合は、ほとんどが本骨折です。1週間寝たきりでいると10-15%の筋力低下を生じ、著しく日常生活機能を低下させます。速やかに手術を行い、早期リハビリテーションにより機能を保つことが大事です。中部ろうさい病院整形外科ではなるべく受傷後48時間以内に骨接合術を行うようにしています。また骨粗鬆症により骨折しやすい状態にあるため、次の骨折を予防するために骨粗鬆症の治療も入院中に開始します。

中枢神経麻痺後痙縮

脳卒中や脊髄損傷患者の後遺症として痙縮(けいしゅく)が高頻度に出現します。初期には運動療法や内服治療により症状が改善しますが、程度が増大し日常生活動作が障害されるようになります。そのような場合は、その原因となる筋にボツリヌストキシンを注射して、過剰な筋肉の収縮を軽減させます。中部ろうさい病院リハビリテーション科では低周波装置や超音波診断装置などを使用して安全性を確保しながら処置を実施しています。

痛風・高尿酸血症

血清尿酸値7.0 mg/dL以上は高尿酸血症となります。尿酸値が高いだけでは自覚症状はありませんが、長期間の高尿酸血症により関節・足先などに結晶となった尿酸がたまり炎症が生じ、激痛の痛風発作が起こります。 また腎臓結石や尿管結石の原因となり、背部などに激痛を生じます。尿酸の生成抑制薬や尿への排泄促進薬で治療を行います。食事療法としてプリン体の摂取制限が必要となります。

手足のしびれ

日本語では「しびれ」は動きが悪い時にも使うことばですが、医療の場面での「しびれ」は感覚(感じかた)の異常を意味します。しびれには何もしなくても痺れを感じる自発痛や、触られたり物に触れるといつもと違う感じがするしびれ、いつもより鋭く感じる、鈍く感じるなど色々の場合があります。皮膚の感覚は皮膚から末梢神経、脊髄を経由して大脳感覚中枢に刺激を伝える伝導路を通過します。この経路のどこかに異常があるとしびれ・痛みといった感覚障害が認められます。神経系の異常ばかりでなく椎間板ヘルニアなど整形疾患が原因となることが一般的です。

手足のひえ・冷え性

低血圧・貧血・膠原病・甲状腺機能低下症・閉塞性動脈硬化症・バージャー病などの血行障害で認められます。筋肉量の低下(サルコペニア)を起こした高齢者や痩せた女性に多いといわれます。運動不足でも冷えが起こりやすいといわれています。そのほか自律神経機能の乱れで体温調節がうまくできず冷えを感じることもあります。適宜な運動、ストレスへの配慮などが必要です。

糖尿病性壊疽・難治性潰瘍

糖尿病性壊疽は糖尿病による下肢の血流障害を併発していることも多いため、形成外科が循環器内科と協力しながら血流評価と血行再建を行った上での手術治療や外用療法を行っています。静脈うっ滞性潰瘍などの難治性潰瘍は圧迫療法や陰圧閉鎖療法などを行いながら治療しています。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は網膜症・腎症とならぶ糖尿病三大合併症のひとつです。血糖コントロールが不良な状態が継続すると末梢神経の神経軸索が細くなり感覚障害が起こります。糖尿病の神経障害は通常、足の指や足の裏の感覚障害から始まります。じんじんとしたしびれ感や足の裏に餅が張り付いたような異常感覚、時にヒリヒリした痛みを認めます。また神経障害のひとつである自律神経障害の症状として頑固な便秘や下痢、起立性低血圧(たちくらみ)が認められます。慢性症状のほかに急速な血糖コントロールや低血糖の頻発によって痛みの強い神経障害を起こしやすいことも知られています。

特発性大腿骨頭壊死症

主にアルコール多飲やステロイド薬による影響で大腿骨頭に骨壊死が起きて股関節が破壊される病気です。骨壊死した範囲が小さい場合は痛み止めなどの保存治療でも症状改善する可能性がありますが、骨壊死した範囲が大きい場合は骨壊死した部分は再生しないため、骨壊死した部分が圧壊して骨切り術や人工股関節置換術が必要になることが多いです。

ばね指

ばね指は指の付け根付近に力がかかり、同部の腱や腱鞘に炎症が起きて腱鞘炎になり、さらに進行し引っ掛かりが生じ、ばね現象が起きる病気です。局所安静や消炎鎮痛剤の内服や外用薬、腱鞘内ステロイド注射で治療しますが、これらが無効な場合や再発を繰り返す場合は、日帰りでの腱鞘切開術を行います。

ふるえ

ふるえ(振戦)には手足の安静時振戦や何かの動作に伴い起こる運動時振戦などがあり、細かいふるえからバタバタした大きなふるえまで多彩です。原因も甲状腺機能亢進症などの内科疾患によるものや家族性の本態性振戦などさまざまです。脳の変性疾患であるパーキンソン病の症状として安静時のふるえが手足に認められることがあります。字を書く時にだけ手に出現するふるえは「書痙」とよばれ無意識におこるる不随意運動(局所性ジストニア)といわれています。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は足を栄養する下肢の血管が動脈硬化により狭くなったり、詰まってしまう病気です。主な症状は歩くと足が痛い。足が冷たいなどです。放置すると最悪の場合は足が壊疽を起こし切断を余儀なくされます。なるべく早く受診して血流の状態を調べ、適切な治療を受けることが大切です。

変形性股関節症

加齢や寛骨臼形成不全(骨盤の作りが悪い)などにより股関節の軟骨が削れて股関節の痛みや可動域制限がでる病気です。股関節の診察やレントゲンで診断します。まずは痛み止めやリハビリでの保存治療を行いますが、それでも改善に乏しい場合は骨切り術や人工股関節置換術を行います。中部ろうさい病院の整形外科ではナビゲーションを用いたAnterolateral supine approachにて人工股関節置換術をしており、より正確で低侵襲な手術を心がけています。

変形性膝関節症

加齢や肥満などにより膝関節の軟骨が削れて膝関節の痛みや可動域制限がでる病気です。診察やレントゲンで診断します。痛み止め、リハビリなど保存治療をまず行いますが、改善に乏しい場合は骨切り術や人工膝関節置換術を行います。痛みの原因が膝関節の内側に限局し、靭帯が痛んでいない場合は人工膝関節単顆置換術(部分人工膝関節)を行うこともあります。

慢性炎症性脱髄性多発神経根炎(CIDP)

CIDPとは四肢の筋力低下やしびれ感・知覚鈍麻が2ヶ月以上にわたりゆっくり進行する末梢神経の炎症性疾患です。早期発見・早期治療が非常に重要です。治療にはステロイドホルモン剤の大量投与、血液製剤である免疫グロブリンの大量療法、血漿交換などを行います。血管炎に伴う神経障害や糖尿病性神経障害などとの鑑別が必要であり、神経伝導検査や髄液検査を行い診断します。(厚労省指定難病)

リンパ浮腫

リンパ浮腫の原因はさまざまですが、主に婦人科領域や泌尿器科領域の手術後の続発性リンパ浮腫に対して、細静脈リンパ管吻合術(LVA)を行っています。形成外科ではリンパ浮腫外来も不定期ですが行っており、専門看護師とともに診断および圧迫療法、リンパドレナージの指導などを行っています。

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