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骨盤内・生殖器の症状/疾患

おりもの

おりものとは子宮頸部、子宮内膜、膣、汗腺からの分泌物です。おりものには膣内を清潔にする働きがあります。性状には個人差があり、月経周期によって量や粘性・色調が変わります。月経後しばらく経っているのにおりものが茶褐色、豆腐カス状、黄・黄緑色の場合や、発熱や腹痛・腰痛を伴っておりものが増えた時などは病的なおりものの可能性があります

過活動膀胱

過活動膀胱は症状によって診断される症候群(病気)です。すなわち、尿意切迫感(急に強い尿意を催す)が必須の症状で、頻尿(何回も排尿する)や夜間頻尿(就寝後何回も排尿に起きる)を伴い、場合によっては切迫性尿失禁(急に強い尿意を催しトイレまで我慢できずに尿を漏らす)を合併します。つまり、尿意切迫感があれば、男性でも女性でも過活動膀胱が疑われます。治療法としては骨盤底筋体操を含めた行動療法、薬物療法(薬の内服)があります。

血尿

真っ赤な尿(肉眼的血尿)は尿路の悪性腫瘍(がん)や結石、膀胱炎などの原因が考えられます。見た目の尿の色調に異常がなくても、健診などの検査で指摘された血尿(顕微鏡的血尿)を起こす種な病気は腎臓の糸球体の異常が原因かもしれません。尿蛋白の異常がないかどうかも重要です。

更年期の体調不良(婦人科)

日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。(1)血管の拡張と放熱に関係する症状:ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など。(2)その他のさまざまな身体症状:めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど。(3)精神症状:気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など。更年期障害の特徴の一つは症状が多彩なことですが、これらが他の病気による症状ではないことを確認する必要があります。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱とは、骨盤内臓器が通常の位置よりも下垂する状態です。下垂する臓器によって呼び方が異なり、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤などに分類されます。骨盤底の支持機構の破綻が原因となります。出産経験者の約40%が何らかの骨盤臓器脱の症状を呈します。そのリスク因子となるのが経膣分娩や肥満です。症状として下腹部の違和感、尿失禁、便秘などを伴う場合があります。

子宮筋腫

子宮筋腫は珍しくない腫瘍です。小さなものも含めると、30歳以上の女性の20~30%にみられます。筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなります。閉経すると、逆に小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。大きさやできる場所によって症状が違ってきます。できる場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に分けられます。おもな症状は、月経量が多くなることと月経痛です。その他に月経以外の出血、腰痛、頻尿などがあります。また、不妊、習慣性流産等の原因になる場合もあります。

子宮頸がん

子宮の頸部に発生するがんです。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20〜30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。HPVは男性にも女性にも感染するありふれたウイルスであり、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染機会があるといわれています。しかしHPVに感染しても、90%の人においては免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、10%の人ではHPV感染が長期間持続します。このうち自然治癒しない一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。通常、早期にはほとんど自覚症状がありませんが進行するに従って異常なおりもの、不正出血、性行時の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。一次予防としてのHPVワクチン接種と、早期治療に結び付く二次予防としての子宮頸がん検診が重要です。

子宮体がん

子宮の体部の内膜腺上皮から発生するがんです。最近我が国の成人女性に増えてきているがんのひとつです。発生には、多くは卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンが深く関わっています。卵胞ホルモンには子宮内膜の発育を促す作用がありますので、卵胞ホルモンの値が高い方では子宮内膜増殖症という前段階を経て子宮体がんが発生することが知られています。出産したことがない、肥満、月経不順(無排卵性月経周期)がある、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている方などがこれにあたります。一番多い自覚症状は不正出血です。閉経後あるいは更年期での不正出血がある時には特に注意が必要です。

子宮脱

骨盤臓器脱とは、骨盤内臓器が通常の位置よりも下垂する状態です。下垂する臓器によって呼び方が異なり、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤などに分類されます。骨盤底の支持機構の破綻が原因となります。出産経験者の約40%が何らかの骨盤臓器脱の症状を呈します。そのリスク因子となるのが経膣分娩や肥満です。症状として下腹部の違和感、尿失禁、便秘などを伴う場合があります。

子宮内膜症

子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。子宮内膜症は女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずにプールされたり、周囲の組織と癒着をおこしてさまざまな痛みをもたらしたりします。また、不妊症の原因にもなります。子宮内膜症ができやすい場所は、卵巣、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後ろから支える靭帯)、卵管や膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)などです。稀ではありますが肺や腸にもできることがあります。痛みの症状ですが、月経痛はもちろんのこと、月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛、性交痛などがみられます。妊娠の希望のある内膜症患者さんの約30%に不妊があると考えられています。

神経因性膀胱

排尿に関与する脳、脊髄、末梢神経の障害によって、膀胱の畜尿機能、排尿機能に異常が生じた状態を神経因性膀胱と言います。畜尿(尿を貯める)機能の異常では尿漏れ、頻尿等を起こし、排尿(尿を排出する)機能の異常では排尿困難を起こします。神経因性膀胱を起こす病態としては脳の障害では脳出血、脳梗塞、脊髄の障害では脊髄損傷・脊髄炎、末梢神経の障害としては糖尿病による神経障害や骨盤内手術後の神経損傷があります。

性器出血(不正出血)

月経とは無関係な膣出血は子宮頸がん・子宮体がん、卵巣がんなど婦人科系の悪性腫瘍の初期症状のことがあるので注意しましょう。女性ホルモン分泌に変化のおこる更年期や強いストレスでも不正出血がおこることがあります。

性器感染症(前立腺炎、精巣上体炎)

前立腺、精巣上体に細菌等が侵入して生じた感染症です。急性前立腺炎は、排尿時痛、排尿困難、頻尿、発熱等の症状で発症します。また急性精巣上体炎は陰嚢の腫大、疼痛、発熱等で発症します。どちらの病気も抗生剤で治療を行います。また男性のみに生じる病気で、性行為を介して感染する場合もあり注意が必要です。

切迫早産

切迫早産とは早産(22週0日~36週6日までの出産)となる危険性が高いと考えられる状態のことをいいます。子宮収縮が規則的かつ頻繁におこり、子宮の出口(子宮口)が開き、胎児が出てきそうな状態のことです。切迫早産の治療では、子宮口が開かないようにするために、子宮収縮を抑える目的で子宮収縮抑制薬を使用することがあります。切迫早産の原因の一つでもある細菌による感染が疑われれば抗菌薬を使用することもあります。子宮収縮の程度が軽く、子宮口があまり開いていない場合は外来通院による治療でもいいのですが、子宮収縮が強く認められ、子宮口の開大が進んでいる状態では、入院して子宮収縮抑制薬の点滴治療を考慮します。

前立腺がん

前立腺は男性にしかない臓器で精液の一部を産生し、膀胱の直下の骨盤の奥深いところに位置しています。この前立腺に発生するがんが前立腺がんです。前立腺がんの症状には排尿困難、血尿、腰痛等ありますが症状が出現してからでは手遅れになることが多いです。手遅れにならないためには前立腺がん検診(PSA検査)を受け早期発見、早期治療が大切です。前立腺がんの治療には手術療法、放射線療法、ホルモン療法と三本の柱があり治療しやすいがんと言えます。

前立腺肥大症

男性は40歳代に前立腺の一部にしこり(結節)が作られ、後にこの結節が大きくなり(腺腫)、前立腺の中心を走る尿道を圧迫し、排尿困難、頻尿等様々な症状を引き起こします。飲酒後全く尿が出なくなり下腹部が張って苦しくなり、夜間病院に駆け込むことは前立腺肥大症の患者様にはよくあるエピソードです。治療には薬物療法(内服薬を飲む)、手術療法(経尿道的手術)等があります。

男性性機能障害(ED)

男性性機能障害は勃起障害(ED)と射精障害の2疾患が大半を占めています。勃起障害は勃起を発現できないか持続できないため満足な性交渉ができない状態を意味します。原因の半分は精神的な問題で残る半分が糖尿病、動脈硬化など生活習慣病です。射精障害は射精が全くできない、射精までに時間がかる(遅漏)など多様な疾患群を含んでいます。勃起障害、射精障害ともに子供ができない(男性不妊症)原因となるため的確な診断とエビデンスに裏付けられた効果的な治療法で対処するこが大切です。

尿もれ(尿失禁)

尿もれや尿失禁(おもらし)にはお腹に力をいれたとき・咳をした時などに起こる腹圧性尿失禁、急に排尿したくなり間に合わない切迫性尿失禁、自分では排尿したいのになかなか出ず少しずつもれてしまう溢流性尿失禁、排尿機能は正常なのに認知症のためにトイレでの排尿ができない機能性尿失禁などいろいろなタイプがあります。状態や原因に応じてきちんとした治療を受けることが大切です。

尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎)

尿路感染症は腎臓、尿管、膀胱、尿道に細菌等が侵入して生じた感染症です。急性膀胱炎は若い女性に多く、症状は排尿時痛、頻尿、尿混濁が3主徴です。急性腎盂腎炎も若い女性に多く、症状は発熱、側腹部痛になります。どちらの病気も抗生剤で治療を行います。また尿道炎は若い男性に多く、症状は排尿時痛、尿道からの排膿になります。尿道炎は性行為を介して感染する場合が多く注意が必要です。

尿路結石

尿路結石は発生部位により、腎結石、尿管結石、膀胱結石に分類されます。この中でも尿管結石は強い腹痛(腰痛)、血尿で発症します。夜間救急車で受診するような強い腹痛の原因の多くは尿管結石です。治療法は結石のサイズで異なり、小さい結石(5−10mm未満)は薬を飲んで自然排石を待ちます。また大きい結石(5−10mm以上)は尿道から細い内視鏡を挿入してレーザーで結石を破砕したり、体外結石破砕装置で体外から衝撃波で結石を破砕します。

尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)

腎実質で作られた尿は腎臓内の腎盂(尿の貯まる袋)に移動し、その後尿管を通り膀胱に貯まります。尿意を感じると尿道を介して尿は体外に排出されます。この一連の尿の排泄通路(腎盂、尿管、膀胱、尿道)を尿路上皮と呼び、これらに発生するがんを尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、尿道がん)と呼びます。尿路上皮がんの初発症状は何の前触れもなく突然肉眼的血尿(真っ赤な尿)が出ることです。この場合直ちに泌尿器科を受診して下さい。

頻尿

尿が近い、回数が多いという症状を頻尿といいます。一般的には起床から就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿としています。頻尿の原因のひとつとして、膀胱に十分尿が溜まっていないのに尿意が抑えられない「過活動性膀胱」があり脳卒中や前立腺肥大のみばかりでなく加齢によりおこることもあります。夜間頻尿は、加齢とともに頻度が高くなり日常生活に支障がでることがあります。多尿の原因は糖尿病など内科疾患の場合もあります。

不妊症

不妊症とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。不妊症のカップルは10組に1組といわれていますが、近年、妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。男女とも、加齢により妊孕性(妊娠する力)が低下することが分かっています。女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は減り、35歳を過ぎると著明な低下を来します。加齢により子宮内膜症などの合併が増えること、卵子の質の低下が起こることが妊孕性低下の原因と考えられています。男性は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こります。

膀胱炎

尿路感染症は腎臓、尿管、膀胱、尿道に細菌等が侵入して生じた感染症です。急性膀胱炎は若い女性に多く、症状は排尿時痛、頻尿、尿混濁が3主徴です。急性腎盂腎炎も若い女性に多く、症状は発熱、側腹部痛になります。どちらの病気も抗生剤で治療を行います。また尿道炎は若い男性に多く、症状は排尿時痛、尿道からの排膿になります。尿道炎は性行為を介して感染する場合が多く注意が必要です。

卵巣腫瘍

卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2~3cmぐらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいものでは30cmを超えることもあります。卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。卵巣腫瘍の症状には腹部膨満感、下腹部痛、頻尿などがありますが、小さいうちは無症状で経過することが多く、大きくなったり腹水がたまったりしてから症状が出現することが多いです。腫瘍が破裂したり、茎捻転といって腫瘍がお腹の中でねじれてしまうと突然の強い下腹部痛が出現することもあります。

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