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腹部の症状/疾患

IgA腎症

IgA腎症は、慢性糸球体腎炎の中で最も頻度の高い病気で、小児や若い人にも起きます。血尿と蛋白尿が続き検診で発見されることが多いです。扁桃腺に代表されるリンパ組織で、異常をもったIgAという免疫タンパク質が過剰に作られ、それが腎臓を障害すると言われています。尿の赤み(血尿)を自覚する人もいますが、多くは無症状です。しかし長い年月をかけて腎機能が低下しやすく、成人では20年で30〜40%が末期腎不全(透析か移植が必要になること)になります。特に蛋白尿が多いとか、病理検査の結果が重いと、腎不全になりやすいと言われています。寛解(蛋白尿と血尿を消失させること)させ、将来腎不全にならないように治療を行います。

胃がん(消化器内科)

消化管(食道、胃、大腸)がんでは、内視鏡検査やCT、エコーなどを行い、がんの大きさや深さ(深達度)、転移の有無を調べ、進行度(ステージ)に応じて内視鏡的治療(内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD))、化学療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤など)、放射線療法、手術療法といった治療を、外科や放射線科と密接に連携し、もっとも適切な組み合わせを選択・併用し、治療を行っています。

ウィルス性肝炎

急性肝炎やB型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスによる慢性肝炎などの診断と治療を行っています。B型肝炎はインターフェロンと核酸アナログ製剤(エンテカビル、テノホビルなど)で治療を行っており、ほとんどの患者さんで肝臓の炎症を抑え、良好なウィルス制御ができるようになっています。C型肝炎の治療の進歩は目覚ましく、直接作用型抗ウィルス薬(DAA;Direct Acting Antivirals)の治療で、95%以上のウィルス排除が可能となりました。

炎症性腸疾患

年々増加傾向にあるクローン病、潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患は、ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気で、慢性的な下痢や血便、腹痛などの症状を伴います。重症度や患者さんの社会的背景を考慮し、薬物療法を中心に治療を行い、難治例に対しては生物学的製剤(TNFα阻害薬、IL-12/23阻害薬など)を選択し、最適な治療を行います。

肝硬変

肝硬変とは肝臓に長く炎症がおこることから肝臓が硬くなる病気です。ウイルス性肝炎、脂肪肝、お酒の飲み過ぎ、自己免疫性肝炎などが原因です。症状が進行すると黄疸や腹水、浮腫、食道静脈瘤や静脈瘤の破裂による吐血、肝性脳症による意識障害などが出現し生命予後に関わります。

肝細胞がん

肝細胞がんのハイリスクグループである慢性肝炎、肝硬変の患者さんは、定期的な画像診断(腹部超音波検査、造影CTなど)を行うことで、肝細胞がんの早期発見、早期診断が可能です。患者さんの状態、がんの大きさ・個数、肝臓の予備能などを考慮し、最適な治療法を選択していきます。治療法として、外科的肝切除、経皮的局所療法(ラジオ波焼灼術;RFA、エタノール注入療法;PEIT)や、肝動脈化学塞栓術(TACE)などに加え、分子標的薬(レンバチニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブなど)、免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法)による全身化学療法を行っています。

急性腎障害

急性腎障害とは、数時間〜数日の間に急激に腎機能(尿をつくり、老廃物を排泄するはたらき)が低下する状態です。無症状の人もいますが、重症になると尿の減少、むくみ、食欲低下、全身倦怠感などを自覚することがあります。採血では血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン(Cr)、カリウム(K)などが急に上昇します。腎臓自体に原因がある場合と、脱水や尿路の閉塞など腎臓以外に原因がある場合にわかれます。診断したら急いで原因を突き止め、その治療を行います。腎機能の回復は、腎障害の原因や程度、合併症の状況によって異なるため、腎障害が残って慢性腎臓病や末期腎不全に移行してしまうケースもあります。

下痢

便の水分が異常に増え液状の状態が「下痢」、通常より少し柔らかい状態を「軟便」といいます。いわゆる食あたり・水あたりのほか、脂肪分や糖分が多い食品を食べ過ぎた時などに消化不良をおこすことがあります。乳製品が体質的にあわないひと(乳糖不耐)が日本人には多く慢性下痢の原因になります。薬やストレスが原因のこともあります。乳幼児や高齢者の下痢では脱水症状を伴いやすく、元気がない、強い倦怠感があるなどの場合は受診が必要です。下痢だけでなく腹痛や血便がある場合は重症の感染性腸炎(食中毒)、潰瘍性大腸炎、がんなどにも注意が必要です。

黒色便・タール便

真っ黒なドロドロした黒色便をタール便(コールタールの色ににているから)と呼び、胃や十二指腸・食道などの肛門から離れた部分の消化器器官で出血が起こっている可能性があり胃カメラや大腸の検査が必要です。貧血の治療に鉄剤を内服していても便の色が黒くなります。

消化管がん(胃がん、大腸がんなど)

消化管(食道、胃、大腸)がんでは、内視鏡検査やCT、エコーなどを行い、がんの大きさや深さ(深達度)、転移の有無を調べ、進行度(ステージ)に応じて内視鏡的治療(内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD))、化学療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤など)、放射線療法、手術療法といった治療を、外科や放射線科と密接に連携し、もっとも適切な組み合わせを選択・併用し、治療を行っています。

腎がん

腎臓は背中の直下に左右1つずつある重さ約150gmのそら豆状の臓器で、主な働きは尿をつくり体内の老廃物を排泄することです。腎がんは尿生成を行なう腎実質にできるがんです。症状には肉眼的血尿、腰背部痛、腹部腫瘤がありますが、最近は健康診断(CT、超音波検査)で早期発見されることが多いです。腎がんに有効な薬も複数ありますが、早期発見し手術で腎臓全体もしくはがんを含めた腎臓の一部を摘出するのが根治するための唯一の治療法です。

腎不全(末期)

原因によらず、腎機能の低下が進行した状態が末期腎不全です。おおよそeGFR10ml/min/1.73㎡未満になると尿毒症の症状が強く出やすくなります。症状はとても多彩で、動悸息切れ・貧血・むくみ・吐き気や食欲低下・かゆみ・疲れやすさなど様々です。体内にたまった老廃物を除去し、症状を改善させるには腎代替療法(透析か腎移植)が必要です。人工透析療法(腹膜透析や血液透析)、腎移植(献腎移植や生体腎移植)といった治療法があり、基礎疾患や年齢、生活スタイルなどを考慮しながら相談してどの治療が最適かを決めていきます。

膵がん(消化器内科)

膵がんは初期には無症状のことが多いため、早期には極めて発見しにくいがんです。各種画像検査を行い、必要に応じて超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)を行い、診断を確定していきます。治療は手術が第一選択で、病変の拡がりや患者さんの状態を見極め、手術が可能かどうかを評価します。進行した状態であっても、以前は選択肢が少なかった抗がん剤も、nab-PTX(商品名:アブラキサン)、Nal-iri(商品名:オニバイド)といったくすりや、免疫チェックポイント阻害剤など治療の選択肢が増え、長期生存が見込めるようになってきています。

膵がん(外科)

膵がんは膵臓にできるがんで、悪性腫瘍です。腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰痛、背部痛などが症状です。糖尿病の発症や増悪がみられることがあります。血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査、超音波内視鏡検査等を行います。治療には、手術、薬物療法、放射線治療があります。手術のみ、もしくは手術と薬物療法、放射線治療を組み合わせた治療(集学的治療)を行います。切除できない場合は、主に薬物療法や薬物療法と放射線治療を組み合わせた治療を行います。

総胆管結石

肝臓で作られる胆汁が流れている総胆管に結石ができ、大きくなると胆管をふさいでしまい、細菌感染や膵炎などを引き起こすおそれがあり、総胆管結石は緊急の治療が必要となることも多い病気です。内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を行い、結石の大きさ、個数を確認し、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術(EPLBD)で結石を取り除きます。

鼠径ヘルニア

鼠径部(脚の付け根)に生じるヘルニアの総称が鼠径ヘルニアです。一般的に"脱腸"と呼ばれている病気です。腸や腸を覆う脂肪組織、卵巣、膀胱などが腹壁に生じた欠損部から飛び出します。内臓の脱出により鼠径部に膨らみができ、違和感や不快感、痛みを伴うこともあります。多くの場合は腹圧がかかったときに飛び出し、仰向けになると引っ込みますが、放置すると次第に大きくなっていき、内臓がはまりこんで元に戻らない状態(嵌頓)となることがあります。治療は手術です。腹腔鏡手術も行われています。

多発嚢胞腎

ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)は、腎臓にたくさんの嚢胞(水分でできた袋)ができる遺伝性の病気です。嚢胞は年齢とともに増え、徐々に腎機能が低下します。60歳までに約半数の患者さんが末期腎不全(透析か移植が必要になること)になりますが、腎機能低下のスピードは個人差が大きく、同じ家系の中でも進み具合にはかなりの幅があります。脳動脈瘤や肝臓の嚢胞、心臓弁膜症などの病気を合併することもあり、みつかればそれぞれに治療をします。腎臓に対しては降圧治療や積極的な飲水、治療の条件を満たせばトルバプタンという嚢胞増大をおさえる薬などで治療します。

胆石症

胆道にできた結石の総称です。結石の存在部位により、胆嚢結石、総胆管結石と呼ばれます。上腹部痛、背部痛、肝機能障害、発熱、黄疸などを生じます。検査は血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、内視鏡検査、超音波内視鏡検査等を行います。治療は薬物治療、内視鏡治療、手術などが行われます。胆石手術の多くは開腹ではなく腹腔鏡手術が行われています。

胆道がん

胆道がんは、胆道にできる悪性腫瘍です。周囲のリンパ節、肝臓、肺などの臓器に転移したり、膵臓などの周囲の臓器に浸潤(がんが周囲に染み出るように広がっていくこと)したりすることがあります。黄疸、右上腹部痛、体重減少などの症状があります。血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査、内視鏡検査などで検査します。治療は手術、薬物治療です。

大腸がん

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、悪性腫瘍です。腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から癌発生するものがあります。早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると、血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血)、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などの症状があります。注腸造影検査、下部消化管内視鏡検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などを行います。治療には、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあります。

大腸ポリープ

大腸の表面の、粘膜の一部がイボのように隆起してできたもののことを大腸ポリープといいます。当院では、大腸カメラで切除対象のポリープが見つかった場合、そのまま日帰りが可能な大腸ポリープ切除術を行っています。通常のポリープ切除術は、スネアという特殊なワイヤーでポリープの根元を絞めて高周波電流を流して切除しますが、近年、高周波電流を流さず、スネアでポリープの根元を絞めて切除するコールドスネアポリペクトミーが主流になってきており、中部ろうさい病院でも施行件数が増えてきています。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は尿からタンパク質がもれて、血液中のタンパク質であるアルブミンが少なくなることで体全体がむくむ病態です。ひとつの病気ではなく、同じような症状を出す様々な病気の総称です。足や顔のむくみや尿の泡立ちがよくある症状ですが、ひどくなると肺や腹部、心臓や陰のうにも水がたまります。血液中のコレステロールが増えたり、腎不全、血栓症(血管が詰まる病気)、感染症を合併する危険性もあります。腎生検(入院して腎臓に針を刺し、採った腎臓を顕微鏡でみる検査)で原因となる病気を調べて、結果に応じてステロイドや免疫抑制といった薬を中心とした治療を行います。

腹痛

痛みの部位や強さ、性質(鈍い痛み、疝痛(さし込む痛み)、発症のしかたなどで原因は様々です。胃や腸のみでなく循環器系や泌尿器系・婦人科系に原因があることもあります。

ヘリコバクター・ピロリ感染

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の粘膜に住みつく細菌で、日本人の場合、年齢が高い方ほどピロリ菌に感染している率が高く、60歳以上の方は60%以上が感染していると言われています。ピロリ菌に感染していると、胃十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクになると言われており、内服薬で治療することができます。ただし、治療前に胃がんの有無や胃炎の程度を評価するため、胃カメラを受けていただくことが必要です。

慢性腎臓病

慢性腎臓病とは、尿の異常(多くは蛋白尿)や腎機能低下(eGFR 60ml/min/1.73m?未満)が3か月以上つづく状態を指します。国民病と呼ばれるほど数が多く、成人の8人に1人、80歳台の2人に1人が慢性腎臓病です。蛋白尿が多くeGFRが低い人ほど末期腎不全(透析か移植が必要になること)になりやすく、心筋梗塞や脳梗塞といった病気にもなりやすいと言われています。慢性腎臓病では低下した腎機能が回復することは基本的に期待できず、進行予防のためには糖尿病、高血圧、高尿酸血症など生活習慣病の治療や食事管理、適度な運動、禁煙といった生活習慣の是正が大切です。

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